地域とコラボしたオリジナル製品も販売

 ノーガホテル ウエノはJR・京成上野駅から徒歩5分の立地。低価格のホテルや居酒屋、韓国料理店などが集積する東上野の一角にある。敷地面積は約966平方メートルで10階建て。古い雑居ビルが立ち並ぶなか、アイボリー調のシンプルで上品な外観が目立つ。

 ホテル1階のロビーフロアは、コンシェルジュカウンターとギャラリー・ショップ、レストラン、ラウンジで構成。ギャラリー・ショップでは、地域のアーティストや芸大生の作品を企画展として展示するほか、地域の職人やデザイナーとコラボしたオリジナルプロダクトを展示販売する。

 例えば、レストランで使用する日本酒やビールのグラスは1931年創業の木本硝子のもの。江戸時代から続く江戸切子の技法に新たなデザインを取り入れた斬新な白切子のグラスはこのホテルのみで販売され、ほかで製造する予定はないという。ホテルオリジナルの家紋やサインデザインなどを手がけた、手描き家紋職人の工房「京源」の紋切り折り紙や、海外でも人気の「伊藤バインダリー」のメモパッド、文具専門店「カキモリ」が手がけたインクとローラーボールペンは、東京土産にもなりそう。

 ほかにも、「郡司味噌漬物店」の味噌や「鮒藤商店」のつくだ煮などレストランで使う食材や調味料、ワイン、日本酒なども地元の専門店から仕入れている。地域の提携先はホテルスタッフらが自ら足を運んで発掘した。「ホテル周辺の工房や店舗を400軒近く回り、ホテルの考えに賛同してもらったところと提携した」(ホテル担当者)。こうした地域のクリエーターと宿泊客を直接つなげて、ほかでは味わえない体験の機会を提供するために、イベントやワークショップも週1回開催する。

現代のライフスタイルに合った江戸切子やグラスを製作する木本硝子は、レストランで使うオリジナルの黒と白の切子、日本酒グラスなどを手がけた
現代のライフスタイルに合った江戸切子やグラスを製作する木本硝子は、レストランで使うオリジナルの黒と白の切子、日本酒グラスなどを手がけた
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家紋職人としてのルーツをもつ波戸場承龍氏、耀次氏が手がける、家紋をデザインに落とし込んだアート作品。両氏はカードキーや館内のサインデザインも担当している
家紋職人としてのルーツをもつ波戸場承龍氏、耀次氏が手がける、家紋をデザインに落とし込んだアート作品。両氏はカードキーや館内のサインデザインも担当している
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職人の手で作られたシンプルなメモパッド(伊藤バインダリー)と、文房具専門店「カキモリ」とコラボした3種類のオリジナルカラーインクとポールペン
職人の手で作られたシンプルなメモパッド(伊藤バインダリー)と、文房具専門店「カキモリ」とコラボした3種類のオリジナルカラーインクとポールペン
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東京の街を楽しく走るために作られた自転車「トーキョーバイク」とコラボしたオリジナルカラーの自転車。レンタサイクルショップは台東区谷中にある
東京の街を楽しく走るために作られた自転車「トーキョーバイク」とコラボしたオリジナルカラーの自転車。レンタサイクルショップは台東区谷中にある
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レストラン、ラウンジには開放感のある吹き抜け空間を設け、直通階段で2階のラウンジ、テラス席とつながっている
レストラン、ラウンジには開放感のある吹き抜け空間を設け、直通階段で2階のラウンジ、テラス席とつながっている
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ダイニング、ラウンジなどのインテリア家具は、ステラワークスが担当。北欧調の温かみがあり、ゆったりとくつろげるデザインが印象的
ダイニング、ラウンジなどのインテリア家具は、ステラワークスが担当。北欧調の温かみがあり、ゆったりとくつろげるデザインが印象的
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直営レストラン「ビストロ ノーガ ウエノ」はオールデーダイニングに対応し、宿泊客以外も利用できる。コンセプトは「World meets Local and Natural Food & Drink」
直営レストラン「ビストロ ノーガ ウエノ」はオールデーダイニングに対応し、宿泊客以外も利用できる。コンセプトは「World meets Local and Natural Food & Drink」
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レストランの料理には、地域の専門店で取り扱う食材や調味料をはじめ、できるだけ自然な製法で作られたものを利用。朝食はブッフェかプリフィックスかを選べる
レストランの料理には、地域の専門店で取り扱う食材や調味料をはじめ、できるだけ自然な製法で作られたものを利用。朝食はブッフェかプリフィックスかを選べる
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2階にテラス席を設けることで、ホテルのにぎわいが街中にも伝わるように工夫した
2階にテラス席を設けることで、ホテルのにぎわいが街中にも伝わるように工夫した
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ノーガスイートのリビングスペースでも、イベントやワークショップが開催される予定
ノーガスイートのリビングスペースでも、イベントやワークショップが開催される予定
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 ロビーから続く吹き抜け空間には、オープンキッチンを備えた直営レストラン「ビストロ ノーガ ウエノ」とラウンジが広がっている。木やファブリックを多用し、ナチュラルで温かみのあるインテリアが印象的だ。大きな吹き抜けの中央には2階のライブラリー、テラス席へと続くスケルトン階段があり、より開放感が増している。

 レストランは朝食からランチ、ディナーまで対応。地元企業で製造された食器や長く親しまれている専門店の食材と調味料を使用している。レストランとラウンジは宿泊者以外でも利用可能。地元住民にも開放する。地域との接点を増やし、コミュニティの場に育てていきたい考えだ。