ハラル認証を武器に、日本で一ジャンルに定着か

 火焔山のオーナーは中国出身だが、マーズルーの進藤社長と日本店の店長の清野烈(たけし)氏は中国で蘭州ラーメンの味に魅せられ、「日本でも食べたい」と思ったのがオープンのきっかけだという。清野店長は現地で何十軒も蘭州ラーメンを食べ歩いた結果、一番おいしいと感じたマーズルーでの修業を決意。最初は相手にしてもらえなかったが、熱意が認められて修業が許可され、蘭州ラーメンのすべての工程を徹底的に教え込まれ、日本店の開業を許されたという。

 こうした経緯から、同店では中国の本店とまったく同じ味、作り方で提供しているとのこと。一例を挙げると、イスラム教徒の多い現地と同じように、イスラム教の戒律に沿ったハラル認証の牛肉や牛骨(国産)を使用。そのうまみや薬膳スパイスの味を最大限に引き出すため、不純物のない硬度ゼロの超軟水を使用し、スープを作っている。「蘭州ラーメンは独特の味わいがあり、飲んだあとの仕上げにもいいのはもちろん、二日酔いのときに食べてもおいしい。このおいしさを、多くの日本人に知ってほしい。日本には数えきれない種類のラーメンがあるが、蘭州ラーメンも日本のラーメン文化のひとつとして、根付かせたい」(進藤社長)。

 筆者は普通レベルのラーメン好きで、これまで特に好きなジャンルもなかった。だが蘭州ラーメンは、この2店で食べて以来、時々、むしょうに食べたくてたまらなくなっている。まさに「クセになる味」「やみつきになる味」で、日本でもこの味を知る人が増えれば、ラーメンの新ジャンルとして定着するかもしれない。

麺を手打ちするマーズルーの清野烈店長。団子状の生地が、1~2分で麺になっていく様子を、オープンキッチンで見ることができる
麺を手打ちするマーズルーの清野烈店長。団子状の生地が、1~2分で麺になっていく様子を、オープンキッチンで見ることができる
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蘭州市は古くはシルクロード中央ルートの要所として栄えた街で、昔からイスラム教徒が多いため、マーズルーではイスラム教の戒律に沿ったハラル認証の食材を使用している。「清真」とは中国語で「ハラル」の意味
蘭州市は古くはシルクロード中央ルートの要所として栄えた街で、昔からイスラム教徒が多いため、マーズルーではイスラム教の戒律に沿ったハラル認証の食材を使用している。「清真」とは中国語で「ハラル」の意味
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(文/桑原恵美子)