すすりこむたびにむせるラー油攻撃! 慣れると手が止まらない

 マーズルーがあるのは、神保町駅を出て靖国通りを小川町方面に直進し、3分ほど歩いた場所。書泉グランデの並びで、いわば神保町の目抜き通りだ。店を訪れたのはオープン日の15時ごろで、ランチタイムは過ぎていたが、店内は満員の盛況。同店を運営するサプラス(赤坂)の進藤圭一郎社長によると、11時のオープン前から20人以上が並び、ランチタイムには30人から40人の行列ができていたという。「オープン前の取材記事から日本にいる中国の方々の間でネットを中心に情報が広まっていたのは知っていたので、特に驚かなかった。ただ予想よりも日本人客の割合が多いのは意外だった」(進藤社長)。

 注文は食券制で、メニューは蘭州ラーメン1種類のみ。麺の種類(細麺、平麺、三角麺)と、トッピングの増量(パクチー、牛肉)が選べる。初回なのでスタンダードだという細麺をチョイス。席につくと水と一緒に焼肉店のようなエプロンが運ばれ、パクチーとラー油の量を確認された。こちらも初回なので、増減なしで注文。席で待っている間にも、パクチーの香りと漢方薬のようなスパイスの香りが店内に満ちていて、食欲をそそる(パクチーや薬膳料理が苦手な人には、やや辛いかもしれない)。

 麺は注文が入ってから手打ちすると聞いていたので、時間がかかるのを覚悟していたが、意外にもあっという間に運ばれてきた(後で手打ちの様子を見て、生地が手で伸ばされて麺になるスピードに驚いた)。運ばれてきた蘭州ラーメンを見ると、スープはまったく脂が浮いておらず、日本のラーメンよりあっさりしている印象。パクチーと葉ニンニク、薄切りの牛肉、薄切りの大根、そして店内で手作りしているラー油がたっぷりトッピングされている。麺は細麺とはいえ、日本のラーメンのいわゆる細麺よりは太めで、箸ですくってもまったく縮れがなく、細めのうどんのよう。

 まずスープを飲んでみると、器の半分くらいを占めているラー油がすでにスープ全体に溶け込み、麺をすするたびに唐辛子が喉を直撃。すするたびにむせてしまい、息を整えながら食べなければならなかった。

 だが最初の衝撃が過ぎると、ラー油の香ばしさ、パクチー、葉ニンニク、薬膳のようなスパイスの香りが一体となり、不思議なおいしさに変化。麺はもっちりした食感で、かみしめると小麦の甘さを感じる。残念だったのは、ラー油が混ざる前の本来のスープを味わえなかったことだが、同店ではラー油を別添えで頼むこともできるので、今度行くときは別添えにしよう。

 一方、ラー油の量がほどほどであっさりしているため、最初にスープだけをしっかり味わうことができたのが、池袋の火焔山の「漢方入り蘭州ラーメン」。牛肉だしのさっぱりした味わいにスパイスとパクチーが合わさったスープだけでも、新ジャンルのおいしさ。ラー油を混ぜずに一気に半分ほど麺を食べてしまったが、後半、ラー油が混ざった味もまた格別だった。辛さに弱い筆者も最初から抵抗なく食べられたので、初心者はこちらのほうが向いているかもしれない。

 また平麺を頼んだが、きしめんほどの幅だが薄いのでやや波打っていて、汁がからみやすく軟らかかった。ちなみに同店のメニューの説明によると、牛肉麺にとって重要なのは「一清、二白、三紅、四緑、五黄」だといわれており、「清は透き通ったスープ、白は大根、紅はラー油、緑は香菜、黄はかすかに黄味がかった麺のこと」だそうだ。

マーズルーの注文は食券制。メニューは蘭州ラーメン1種類で、麺の種類(細麺、平麺、三角麺)と、トッピングの増量(パクチー、牛肉)を選ぶボタンがあるだけと、いたってシンプル
マーズルーの注文は食券制。メニューは蘭州ラーメン1種類で、麺の種類(細麺、平麺、三角麺)と、トッピングの増量(パクチー、牛肉)を選ぶボタンがあるだけと、いたってシンプル
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牛骨、牛肉、多種類のスパイスを長時間煮込んで作った、さっぱりした中にもコクを感じるスープがベース。日本のラーメンにはなかった独特のスパイスの香りが食欲をそそる(左がマーズルー、右が火焔山。以下同)
牛骨、牛肉、多種類のスパイスを長時間煮込んで作った、さっぱりした中にもコクを感じるスープがベース。日本のラーメンにはなかった独特のスパイスの香りが食欲をそそる(左がマーズルー、右が火焔山。以下同)
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写真では分かりにくいかもしれないが、大根の薄切りがトッピングされているのも特徴
写真では分かりにくいかもしれないが、大根の薄切りがトッピングされているのも特徴
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いずれも牛肉は見た目こそパサついて見えるが、とろけるように軟らかい
いずれも牛肉は見た目こそパサついて見えるが、とろけるように軟らかい
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左のマーズルーは細麺、右の火焔山は平麺
左のマーズルーは細麺、右の火焔山は平麺
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