「空白だらけ」の空間が狙い

 気になるのは店舗の少なさ。地上1階から地下4階まで5つものフロアがあるにもかかわらず、テナントはたった6店舗。せっかく銀座の中心地にあるのだから、もう少しにぎやかにしても良かったのではないだろうか。

 店舗を増やさなかった理由は、前身となるソニービルの「街に開かれた施設」というコンセプトにあった。「ソニービルには数寄屋橋交差点に面した約10坪の公共スペース『ソニースクエア』があり、『銀座の庭』と呼ばれていた。(新ソニービルが竣工するまでの期間限定施設のテーマを)『公園』にすることで、より街に開かれたものになると考えた」と永野社長は言う。公園らしさを表現するため、訪れた人が自由に過ごせるように用途が決められていない空間を余白として残すことを考え、「余白の部分を最初にデザインして、店舗はその周りに配置した」(永野社長)。

ソニー企業の永野大輔社長
ソニー企業の永野大輔社長
[画像のクリックで拡大表示]

 「余白」として残したスペースでは、期間限定でさまざまなプログラムが催される予定。地上階では2018年8月17日〜9月9日まで、沖縄美ら海水族館が監修するイベント「ソニーアクアリウム2018」を開催。

 地下2階には無料のローラースケート場があり、4K大型ビジョンの映像や大音響の音楽でローラースケートが楽しめる。また、地下4階には音楽ライブが楽しめる空間「Park Live」もある。

「パーク×ミュージック×ローラースケート」は縦8m、横12mのローラースケート用リンク。スケートリンクシューズレンタルやソックスの販売があり、手ぶらで寄れる。ショートレッスンも行っている。2018年9月24日までの限定施設
「パーク×ミュージック×ローラースケート」は縦8m、横12mのローラースケート用リンク。スケートリンクシューズレンタルやソックスの販売があり、手ぶらで寄れる。ショートレッスンも行っている。2018年9月24日までの限定施設
[画像のクリックで拡大表示]
地下3階にある「ゲーム×パーキング」では体験型ドライビングシミュレーター「グランツーリスモSPORT」や、「Xperia Touch」を使用したテーブルゲームが楽しめる。営業期間は2018年9月24日まで
地下3階にある「ゲーム×パーキング」では体験型ドライビングシミュレーター「グランツーリスモSPORT」や、「Xperia Touch」を使用したテーブルゲームが楽しめる。営業期間は2018年9月24日まで
[画像のクリックで拡大表示]
 

ソニービルよりもトイレの数を増やした

 また、公園が少ない銀座では、“銀ブラ”の途中で休憩する場所がない。そのため、ソニーパーク内には自由に座れる場所を随所に設置。休憩場所として機能するようにした。待ち合わせ、通り抜けにも利用でき、トイレを使うだけといったニーズも見越して、ソニービルよりトイレの数も増やしたという。

 「画一的な街は面白くない。子供もお年寄りも利用できる『公園』で、街のリズムを作ることに貢献できれば」と、永野社長は期待を込める。

銀座ソニーパークを上から見た図。地下までも公園という意味の「垂直立体公園」を意識し、旧ソニービルの特徴的な構造を生かしたまま、地下に吹き抜けの空間を作ったという
銀座ソニーパークを上から見た図。地下までも公園という意味の「垂直立体公園」を意識し、旧ソニービルの特徴的な構造を生かしたまま、地下に吹き抜けの空間を作ったという
[画像のクリックで拡大表示]
2022年には、公園というコンセプトはそのままに、地上に新しいソニービルが完成する予定
2022年には、公園というコンセプトはそのままに、地上に新しいソニービルが完成する予定
[画像のクリックで拡大表示]

(文/北川雅恵=日経トレンディネット)