草原と岩山にも「ペンギン」

 既成概念からの脱却という点で「草原ペンギン」も面白い展示となっている。これは南アフリカのケープタウンに生息する野生のペンギンの姿を再現したもので、氷山のような冷たいイメージではなく、幅約10m、面積約85平方メートルの草原と岩山を模した展示ブースとなっている。滝が流れ落ちる高低差のある岩山をペタペタと歩くペンギンを草むら越しに見るのは新鮮な光景だ。なお、ペンギンの排泄物は植物を枯らしてしまうため、草地だけにしてしまうとこのような展示はできなかったが、ペンギンの通り道と草地を分け、植物を交換できる仕組みを整えたことにより実現したという。

 この展示に関して、丸山館長は「南アフリカのケープタウンは温暖なため、ここにいるケープペンギンは、日本人がイメージする冷たい世界にいるペンギンではありません。そんなペンギンたちの本来の日常の姿を再現するべく本ブースに取り組みました」とのこと。また、中村氏は「日本では温帯のペンギンを南極のペンギンのように見せてしまうことが多い。実は暖かいところに生息するペンギンのほうが多いくらいです。それをみなさんに分かってほしかった」と語る。

南アフリカのケープタウンに生息する野生のペンギンの姿を再現した「草原ペンギン」
南アフリカのケープタウンに生息する野生のペンギンの姿を再現した「草原ペンギン」
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氷山のような冷たいイメージではなく、幅約10m、面積約85平方メートルの草原と岩山を模した展示ブースとなっている
氷山のような冷たいイメージではなく、幅約10m、面積約85平方メートルの草原と岩山を模した展示ブースとなっている
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草むら越しにペンギンが見られるユニークな展示となっている
草むら越しにペンギンが見られるユニークな展示となっている
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大人向けのライトアップを工夫

 サンシャイン水族館は“大人のデートコース”としても定番の場所だ。普通の水族館とは異なり、営業時間は4~10月の夏期で10~20時、7月12日~9月27日はさらに1時間延長して21時閉園となっている。そのため会社帰りや休日の夜のデートなどでも行きやすい。

 今回の展示でも夜のライティングに力を入れており、昼とは違った雰囲気が楽しめるという。中村氏も特に夜のライティングの雰囲気作りには苦労した部分とのことで、「水と草原とライティングのコラボがロマンチックなのでデートにお薦め」と語る。また丸山氏も「水面のキラキラを生かしたライティングと、植物の色を活かしたライティング。夜は昼とは違った魅力があります」とアピールしていた。このように従来の水族館では考慮されなかった「夜間のライティング」という点でも子供だけではなく大人向けを意識した取り組みが見られる。

従来の水族館では考慮されなかった「夜間のライティング」という点でも子供だけではなく大人向けを意識した取り組みが見られる
従来の水族館では考慮されなかった「夜間のライティング」という点でも子供だけではなく大人向けを意識した取り組みが見られる
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