「グランスタ」「キッチンストリート」「黒塀横丁」など、多くの飲食店街が集まる東京駅。そんな東京駅の八重洲口に、2018年6月28日、新たなグルメスポット「東京グルメゾン」が誕生した。全7店舗で、海鮮居酒屋、鉄板焼き、ハイボール専門店など、バラエティー豊かな店を集めている。

「東京グルメゾン」(東京駅八重洲北口2階)。営業時間は月〜土曜日が11〜23時、日曜・祝日は11〜22時
「東京グルメゾン」(東京駅八重洲北口2階)。営業時間は月〜土曜日が11〜23時、日曜・祝日は11〜22時
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 東京グルメゾンがあるのは、八重洲北口改札からほど近い商業施設「東京駅一番街」の2階。以前は別の飲食店街があったが、「似たような雰囲気の居酒屋が集まっており、店の選択肢が少なかった」と、東京グルメゾンを運営する東京ステーション開発 営業部営業課の大橋麻衣氏は話す。また、来店客の中心はシニア層だったため、客層を広げる目的でリニューアルを行ったという。

 リニューアルにあたり、全7店中5店に個室を設けているのも特徴的だ。「東京駅改札内や構内に個室がある飲食店が少なく、女子会や子ども連れにも使いやすい店が必要と考えた」(大橋氏)という。また、アルコールを提供するにもかかわらず、全店が禁煙というのも珍しいだろう。

トイレにはベビーベッドや子ども用便座などもあり、小さな子ども連れでも使いやすい
トイレにはベビーベッドや子ども用便座などもあり、小さな子ども連れでも使いやすい
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女性好みのメニューが充実

 実際にフロア内を回ってみると、女性や家族連れを意識した店が多いことに気づく。

 エスカレーターで昇ってすぐの場所にある「酒場 シナトラ」は、キッチンをぐるりと囲んだカウンターや壁に貼られたメニューがどことなく懐かしい印象。一見大衆的な居酒屋のようだが、メニューを見ると「クレソンの本山葵和え」「フルーツトマトのナムル」など、女性に受けが良さそうな料理が多い。

「酒場 シナトラ」。目黒店、自由が丘店もあり、東京駅で3店舗目。席数53
「酒場 シナトラ」。目黒店、自由が丘店もあり、東京駅で3店舗目。席数53
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「フルーツトマトのナムル」(税別480円)
「フルーツトマトのナムル」(税別480円)
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看板メニューだという「肉豆腐」(税別780円)は、国産黒毛和牛のすね肉を使用。豆腐も味がよく染みていて、酒に合いそうだ
看板メニューだという「肉豆腐」(税別780円)は、国産黒毛和牛のすね肉を使用。豆腐も味がよく染みていて、酒に合いそうだ
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 その並びにある「カジュアル鉄板 伊達」は、全7店のなかで最も落ち着いた雰囲気。鉄板の前のカウンター6席を除けば、ほぼ全てテーブル席。入り口から少し離れた場所には半個室があり、店の一番奥には最大で10人が入れる完全個室がある。1万円前後のコース料理もあり、家族連れでの食事はもちろん、接待や会食にも利用できそうだ。

「カジュアル鉄板 伊達」は、東京駅一番街地下1階の牛タン料理専門店「杜」、焼き鳥店「一鶏」を運営する伊達の新ブランド。席数52
「カジュアル鉄板 伊達」は、東京駅一番街地下1階の牛タン料理専門店「杜」、焼き鳥店「一鶏」を運営する伊達の新ブランド。席数52
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コース料理は税別8000円〜。写真は1万2000円のもので、国産牛やオマール海老の鉄板焼きが付く。ランチタイムには「ハンバーグセット」(税別1300円)、「ハラミ焼き定食」(税別1300円)など、手ごろな価格帯のメニューも提供する
コース料理は税別8000円〜。写真は1万2000円のもので、国産牛やオマール海老の鉄板焼きが付く。ランチタイムには「ハンバーグセット」(税別1300円)、「ハラミ焼き定食」(税別1300円)など、手ごろな価格帯のメニューも提供する
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店内奥の個室は最大10人まで対応。可動式の壁で仕切って6人用、4人用の個室に分けることもできる
店内奥の個室は最大10人まで対応。可動式の壁で仕切って6人用、4人用の個室に分けることもできる
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 全7店のなかで最も席数が多く、明るくて広い店内が印象的な「BEER HOUSE 森卯(もりう)」では、クラフトビールを豊富にそろえている。ザボンに似たかんきつを使った「弓削剽柑(ゆげひょうかん)フルーツエール」(税別1000円)はグレープフルーツのような香りが特徴で、女性から人気を集めそう。クラフトビールの飲み比べセットもあり、ワンコイン程度のつまみも充実しているので、“ちょい飲み”にも向いているだろう。

「BEER HOUSE 森卯」は東京駅八重洲口や有楽町にビアホールを展開するニユートーキヨーの新ブランド。席数144。8〜40人に対応できる個室もある
「BEER HOUSE 森卯」は東京駅八重洲口や有楽町にビアホールを展開するニユートーキヨーの新ブランド。席数144。8〜40人に対応できる個室もある
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アサヒビールが展開するクラフトビール「TOKYO隅田川ブルーイング」の飲み比べができる「隅田川飲み比べ3種」(税別1000円)。ほかに「本日の飲み比べ3種」(税別1200円)もある
アサヒビールが展開するクラフトビール「TOKYO隅田川ブルーイング」の飲み比べができる「隅田川飲み比べ3種」(税別1000円)。ほかに「本日の飲み比べ3種」(税別1200円)もある
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同店が扱うクラフトビールの特徴が一目で分かる一覧表
同店が扱うクラフトビールの特徴が一目で分かる一覧表
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東京駅八重洲口再開発に合わせた

 全店を通して感じたのは、ランチタイムのメニューの充実ぶり。夜の時間帯の価格にはばらつきがあるが、どの店も1000円台のランチを用意している。施設の開発にあたった東京ステーション開発 営業部管理課の笠井俊亮氏は「女性や子ども連れだけでなく、近隣のオフィスワーカーも狙っている」と話す。

「東京コトブキ」は鯛めし食べ放題付きの1000円台のランチを売りにしている。席数102、個室あり
「東京コトブキ」は鯛めし食べ放題付きの1000円台のランチを売りにしている。席数102、個室あり
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「板前バル」は山形や茨城から直送した鮮魚を使用。ディナータイムの平均客単価は5000円弱だが、ランチタイムは1100円程度。海鮮を使った定食を提供するという。席数50、個室あり
「板前バル」は山形や茨城から直送した鮮魚を使用。ディナータイムの平均客単価は5000円弱だが、ランチタイムは1100円程度。海鮮を使った定食を提供するという。席数50、個室あり
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 東京駅八重洲口付近は再開発が進んでおり、2024年までに40階建て以上の複合ビルが数棟完成する予定だ。今後周辺に移転してくる企業を見越して、今のうちにリニューアルを行ったということだろう。

 東京駅にある飲食店街は旅行の行き帰りに立ち寄る客を意識してか「パッと食べてパッと出る」という店が多く、じっくり落ち着いて食事できるところは少なかった。個室が多く、どの店もゆったりとしたスペースを取っている東京グルメゾンは、会社の忘年会や歓送迎会など、これまで東京駅構内では満たせなかったニーズに対応した飲食店街といえそうだ。

「HIGHBALL BAR 東京駅1923」は天然水、強炭酸を使ったハイボールの専門店。90分の飲み放題付きで税込み3000円の「東京駅PARTYセット」などの宴会メニューもある。席数48
「HIGHBALL BAR 東京駅1923」は天然水、強炭酸を使ったハイボールの専門店。90分の飲み放題付きで税込み3000円の「東京駅PARTYセット」などの宴会メニューもある。席数48
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「大衆ビストロ JILL」は、目黒店、中目黒店、西新宿店につぐ4店舗目。席数104と施設内で2番目に多く、グループで利用しやすい
「大衆ビストロ JILL」は、目黒店、中目黒店、西新宿店につぐ4店舗目。席数104と施設内で2番目に多く、グループで利用しやすい
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全店禁煙だが、エスカレーターの脇に喫煙スペースを設けている
全店禁煙だが、エスカレーターの脇に喫煙スペースを設けている
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(文/樋口可奈子)