専用アプリで駐車場の空車確認やレストラン予約も可能

 枚方T-SITEは、ネット時代の新しい小売のあり方を提案する商業施設としても注目される。専用アプリ「枚方T-SITE パスポート」をスマホにダウンロードすれば、リアル店舗と連動したさまざまなデジタルサービスが受けられる。

 例えば、Tカード代わりにTポイントをためたり、決済機能のTマネーとして使えるので、カードを持ち歩く面倒がなくなる。また、蔦屋書店の商品情報や在庫情報を検索でき、バーコードをスマホでスキャンすればレビューや評価も閲覧できる。駐車場の空き状況、館内イベントの検索や参加予約、レストランの予約も可能だ。現在は蔦屋書店とTSUTAYAでしか利用できないが、今夏をめどにテナントにも広げる計画だ。

 こうしたネットとリアルをシームレスに連動するオムニチャネル戦略は大手百貨店が先行して取り組んでいるが、商業施設では珍しい。軌道に乗れば、既存のT-SITEや全国の蔦屋書店とTSUTAYAにも拡大するという。

 枚方T-SITEには、ガラケー所有者の取り込みを狙い、トーンモバイルとの提携で2015年からスタートしたTSUTAYAの格安スマホ「トーン」の販売店も導入。スマホが苦手な世代や初心者でも使いやすいスマホを広めることで、T-SITEへの来店機会を増やす狙いがある。

 関西最大級のベッドタウンでありながら、駅前商業地の活性化が遅れていた枚方。ライフスタイル提案にこだわり、ネットと一体化した“新しいカタチの百貨店”を模索する同店が、伸び悩む個人消費を喚起し、街にかつてのにぎやかさを戻すことができれば、同じ問題を抱える全国の地方都市に広がる可能性は大いにありそうだ。

「創業当時からライフスタイルコンテンツの提供を掲げていた」と話す増田宗昭社長兼CEO
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専用のスマホアプリなら店頭在庫の確認や関連情報の入手、駐車場の空き状況確認やレストランの予約もできる。カードを持たずにポイントをためたり決済できるので便利
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TSUTAYAの格安スマホ「TONE」の販売店。月額1000円という格安料金に加え、便利な「置くだけサポート」も好評
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一人当たりの個人資産残高が多い枚方のプレミアムエイジ(団塊世代)をターゲットに、資産活用などのコンサルティング業務を行う銀行も誘致。大手都市銀行の支店が6階と7階に入っている
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(文/橋長初代)