酸っぱいと思いきや、ガツンとスパイシー

 まずは、あんかけスパの代名詞といわれる「ミラカン」を食べてみた。

 “あんかけ”というイメージから、酢豚の甘酢あんのように甘めの味をイメージしていたが、意外にも最初にガツンと来るのはスパイシーな辛さ。周囲からも「おいしいけど、辛い」という、戸惑い気味の声が聞こえて来て、カウンターに並んだ水に手を伸ばす人が増えてくる。よくある唐辛子系の辛さではなく、コショウをたっぷり利かせた辛さだ。しかも、店側では卓上の黒コショウやタバスコを追加する食べ方を推奨している。

ヨコイの代表的メニュー「ミラカン」(税込み950 円)。ミラネーズとカントリーをミックスしていることからこの名がついた
ヨコイの代表的メニュー「ミラカン」(税込み950 円)。ミラネーズとカントリーをミックスしていることからこの名がついた
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 だが、3分の1ほど食べて辛さに舌が慣れると、今度はビーフシチューのようなコクが感じられるようになる。さらに食べ進めると、そのコクがさらに変化。コクの奥にほのかな酸味と甘味も感じられるようになる。

 食べていくうちにどんどん違う味わいが生まれ、食べ終わったときには「もう少し食べたい」という気持ちに。こういうのを「後をひく味」というのだろうか。これはたしかにクセになりそうだ。

 ヨコイの横井慎也取締役によると、同店のあんかけスパに使用しているソースは和食や中華のあんとは違い、デミグラスソースをベースにトマトソースをかけ合わせたもの。タマネギ、ニンジン、トマトなどを丸一日火にかけて煮込んだあと1週間熟成させる。それを提供する直前に水で希釈し、澱粉でとろみをつけているという。1週間熟成させることでうまみに層ができ、複雑な味わいになるそうだ。

 また麺は1928年、日本で初めて製造された国産スパゲッティ「ボルカノ」(高橋マカロニ:現在は日本製麻ボルカノ食品事業部)の2.2mmという極太麺を使用。軟らかめにゆでたあと、ラードで炒めて表面をしっかり焼いているため、外に香ばしい焼き目がつき中はもっちりという“逆アルデンテ”状態になっている。「簡単そうに見えるが、簡単に真似できる味ではない」(横井取締役)という。

パンチの効いた辛さのあとに複雑なうまみがひろがるソースはクセになりそう
パンチの効いた辛さのあとに複雑なうまみがひろがるソースはクセになりそう
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