巨大な観覧車がシンボルの東京・お台場のパレットタウン。そのなかに、新たなレジャースポットが誕生する。2018年6月21日に開業する予定のデジタルアートミュージアム「MORI Building DIGITAL ART MUSEUM: EPSON teamLab Borderless」だ。森ビルと、国内外でプロジェクションマッピングやアート作品を手がけるチームラボが共同で運営。パレットタウンの3~4階を大きく5つのエリアに分け、約40点のアート作品を展示するという。

「MORI Building DIGITAL ART MUSEUM: EPSON teamLab Borderless」のイメージ図。チームラボが得意とする花を使った演出もいたるところに施されている
「MORI Building DIGITAL ART MUSEUM: EPSON teamLab Borderless」のイメージ図。チームラボが得意とする花を使った演出もいたるところに施されている
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 目玉は子ども向けエリア「チームラボアスレチックス 運動の森」。チームラボの猪子寿之社長は「今、世界中で『空間認識能力』が注目されている。その能力に関係する、脳の海馬を育てるのを目的とした空間」と説明する。光で演出されたボルダリングスペースなどで体を動かしながらデジタルアートを体験できるという。「今はスマホやテレビなど、『平面』に囲まれすぎている。子どもたちに物事を立体的にとらえるようになってもらいたい」と猪子社長は意気込みを語る。

 ほかにも海外で人気の作品の日本初展示や、お茶をひとつのアートとして演出するティールームを設けるという。開業後は国内外から注目を集めそうだが、現在はまだ工事中。今回、メディア向けに一部が公開されたが、その全容は猪子社長自身も「今まで(やってきたこと)とは全く違っていて、この施設がどんなふうに仕上がるのか、自分たちでもまだよく分かっていない」と語る。いったいどんな施設なのだろうか。

メディア向けの説明会に登壇したチームラボの猪子寿之社長
メディア向けの説明会に登壇したチームラボの猪子寿之社長
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施設内のカフェ「EN Tea House」では九州・嬉野産のお茶が注がれた茶器の中をアートで演出する
施設内のカフェ「EN Tea House」では九州・嬉野産のお茶が注がれた茶器の中をアートで演出する
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大人も楽しめるアートなアスレチック

 チームラボアスレチックス 運動の森は施設の4階にある。「ポヨンポヨン宇宙」と名付けられた作品は床面がトランポリンになっていて、子どもが自由に飛び跳ねて遊べる。プレスツアーではこの作品の上を歩くことができたが、揺れる足元の上をアートが動くさまを見るのは、大人でも心が躍る体験だった。

チームラボアスレチックス 運動の森の完成イメージ図
チームラボアスレチックス 運動の森の完成イメージ図
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ポヨンポヨン宇宙(制作中)
ポヨンポヨン宇宙(制作中)
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「光の立体ボルダリング」の完成イメージ図。音と光で演出されたポールを上って遊ぶ
「光の立体ボルダリング」の完成イメージ図。音と光で演出されたポールを上って遊ぶ
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 また、教育プロジェクト「学ぶ! 未来の遊園地」も併設。子どもが描いた魚の絵がそのまま投影される「お絵かき水族館」も導入されるという。小さい子どもから中学生、高校生くらいまでが頭や体を使って楽しめるエリアになりそうだ。

葛飾北斎を3Dにしたらどうなる?

 一方、大人が日常の疲れを癒やすのにうってつけなのが、3階のボーダレスワールドというエリアにある作品「Black Waves」。うねる波のグラフィックアートが壁一面に広がっている。チームラボ広報によると「葛飾北斎を3Dにしたらどうなるか」という発想から生まれた作品とのこと。こちらもまだ制作中だったが、完成後はフロアに“人をダメにするクッション”としておなじみのヨギボーを置く予定で、寝転がって鑑賞できるようにするという。

「Black Waves」の完成イメージ図。葛飾北斎の「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」がそのまま動き出したように見える作品だった
「Black Waves」の完成イメージ図。葛飾北斎の「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」がそのまま動き出したように見える作品だった
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■変更履歴
1行目の「チームラボアスレチックス 運動の森」について、初出では「アスレチック」となっておりました。お詫びして訂正いたします。

来館後に近隣で食事するという流れに期待

 このミュージアムはチームラボの東京初の常設展。敷地面積は約1万平方メートルで、同社のシンガポールでの常設展の約6.6倍の広さだ。まだ完成前なので一部分しか見ることができなかったが、「全部見ると3時間はかかる」(チームラボ広報)という。規模も大きいうえ、これまでに全世界で600万人以上を動員した、学ぶ! 未来の遊園地という人気エリアもあるので、開業後はかなり混雑しそうだ。だが、コインロッカーを大量に設置し、訪日客や地方から来場する人のために大きな荷物を預かるクロークも用意する予定だという。

施設の外観(完成予想図)。営業時間は月~木曜日が11時~19時。金曜日と祝前日は11時~21時、土曜日は10時~21時、日曜と祝日は10時~19時。料金は高校生以上が税込み3200円、4歳~中学生が税込み1000円。チケットは2018年5月下旬から発売予定
施設の外観(完成予想図)。営業時間は月~木曜日が11時~19時。金曜日と祝前日は11時~21時、土曜日は10時~21時、日曜と祝日は10時~19時。料金は高校生以上が税込み3200円、4歳~中学生が税込み1000円。チケットは2018年5月下旬から発売予定
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 パレットタウンと隣接する商業施設「ヴィーナスフォート」はともに森ビルが運営している。森ビルのMORI Building DIGITAL ART MUSEUM兼都市開発本部の杉山央氏は「お台場はもともと、ショッピングや観光などが複合的に体験できる場所として観光客から人気の場所。2020年の東京五輪に向けて国内外から注目も集まっているので、この場所にミュージアムの開業を決めた」と説明する。「ミュージアムから歩いて行ける範囲にはレストランがたくさんある。来館後にお台場を回遊する人が増えるのではないか」と杉山氏は期待を寄せる。

(文/樋口可奈子)

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