ライバルの多い“デパ地下”ではなく、商業施設に進出

 塚田農場プラスは、法人向けの宅配弁当事業から中食(なかしょく)に参入。2015年にエキュート品川サウス、エキュート上野に弁当専門店「塚田農場OBENTO&DELI」を、2017年12月には東京駅に「TSUKADA FARM TOKYO(ツカダ ファーム トーキョー)」を出店している(関連記事「豪華すぎる駅弁店が東京駅に “高級肉尽くめ”弁当も」)。

 グローサリー展開のきっかけは、消費者の中食へのニーズの変化を感じたことだ。ここ数年でニーズやシーンが多様化し、「“手抜きをする”ためではなく、食卓を豊かにするために総菜を利用する傾向が強くなっている」(森尾氏)。中食市場は今後大きな伸長が期待できるが、スーパーマーケットや“デパ地下”の総菜売り場にはすでに老舗や有名ブランドが多数出店している。そのため、新規参入は不利と考え、商業施設に進出した。各商業施設のコンセプトに合わせた店舗を展開することで、中食に力を入れる同業他社との差異化を図る。

T.N. MEAT WORKSは注文後に客の目の前でステーキを焼いて提供する
T.N. MEAT WORKSは注文後に客の目の前でステーキを焼いて提供する
[画像のクリックで拡大表示]

生産者直結&大量生産のノウハウを生かす

 店舗開発には外食産業の強みも生かした。エー・ピーカンパニーグループは食品の生産から流通、販売までを一貫して手がける独自の「生販直結」というスタイルを展開している。今回オープンしたすし専門店「よいのいき」では、魚料理を提供する飲食店「四十八漁場」で取引のある漁業関係者の協力を受け、その日の朝にとった魚を使った「さっき獲れ丼」をランチタイムに提供する。

よいのいきでは、おつまみとしても食べられるように米の量を減らした「おつまき」(税込み280円~、以下、価格は全て税込み)も提供。新幹線の時間待ちなどの“ちょい飲み”需要に対応する
よいのいきでは、おつまみとしても食べられるように米の量を減らした「おつまき」(税込み280円~、以下、価格は全て税込み)も提供。新幹線の時間待ちなどの“ちょい飲み”需要に対応する
[画像のクリックで拡大表示]
T.N. MEAT WORKSの「大沼さん目利き 山形牛ランイチステーキ」(1620円)はA4、A5ランクの牝の山形牛を使用。肉のキメが細かく、ソースが不要なほど、うまみたっぷりだった
T.N. MEAT WORKSの「大沼さん目利き 山形牛ランイチステーキ」(1620円)はA4、A5ランクの牝の山形牛を使用。肉のキメが細かく、ソースが不要なほど、うまみたっぷりだった
[画像のクリックで拡大表示]
CHICKEN NAN-BARでは塚田農場でも人気の「チキン南蛮」を300円(2個)から提供(写真は4個、500円)。軟らかい食感の若鶏に塚田農場オリジナルのプレミアム卵で手作りした特製タルタルソースがたっぷりかかっている。ハイボールと好相性だった
CHICKEN NAN-BARでは塚田農場でも人気の「チキン南蛮」を300円(2個)から提供(写真は4個、500円)。軟らかい食感の若鶏に塚田農場オリジナルのプレミアム卵で手作りした特製タルタルソースがたっぷりかかっている。ハイボールと好相性だった
[画像のクリックで拡大表示]
Veggieではクイーンズ伊勢丹の生鮮食品売り場で扱うケールやパクチーなどの野菜を使用したサラダを販売
Veggieではクイーンズ伊勢丹の生鮮食品売り場で扱うケールやパクチーなどの野菜を使用したサラダを販売
[画像のクリックで拡大表示]

 また、アトレ品川は高層階にオフィスがあるため、オフィスワーカーのための弁当需要が大きい。そのため、「昼食時間帯に300〜400食を製造、運搬する能力がある塚田農場プラスの強みと一致した」(森尾氏)。