「アーバン・モダン・シンプル」なのに、部屋にはなぜか“生活感”

 同ホテルのもうひとつの特徴は、飲食施設が簡素な1階のカフェのみで、レストランもバーもないこと。「赤坂は一歩外に出ればいいレストランやバーが密集している。周辺の店舗も積極的にご案内し、赤坂というエリアを楽しんでほしい」(グリフォンの齋藤社長)というのがその理由だ。

 レセプションの後ろ側に冷蔵庫があり、ホテル内でアルコールが飲みたくなったときは自分で取り出してスタッフから購入するシステムだ。「部屋に持ち帰って一人で飲むこともできるし、誰かと話をしたいときはラウンジをバー代わりにしてほかのゲストと話をしながら飲むこともできる」(齋藤社長)。

 インテリアデザインのコンセプトは「アーバン・モダン・シンプル」とのことで、たしかに非常にスタイリッシュな印象。だが住居用マンションを改装したため、客室全室が靴を脱いで入る仕様だったり、ミニキッチンと電子レンジ付きだったりと、日常の生活感を感じさせる部分もあり、その対照が面白く感じられた。前身のホテル時代から外国人の長期滞在者が多かったという。ただ調理器具の備品はなく、什器は温冷兼用の耐熱グラスのみ。レセプションで借りることも可能だが、数に限りがあるとのことなので、調理するつもりなら自分で用意したほうがよさそうだ。

 また料金体系がルームチャージ制であることも特色。これは1室をグループで利用する客のための配慮で、例えば48平米で3万9千円の部屋を3人で使用すれば、1人1万3千円となる。最近増えてきているインバウンド向けのホステル型宿泊施設でも、グループ利用ができる個室を設けるところが増えている(関連記事「ホテル不足で日本人も殺到!? 「インバウンド向け宿泊施設」の中身がすごい」)。インソムニア赤坂は日本滞在中の時間をフルに活用したいという海外旅行客にも受けそうだ。

レセプションの後ろ側に冷蔵庫がある。「アルコールのセレクションは万人受けする一般的なものではなく、高級感があり手に入りにくいものを揃えている」(同ホテルを設計したグリフォンの齋藤貴史社長)
レセプションの後ろ側に冷蔵庫がある。「アルコールのセレクションは万人受けする一般的なものではなく、高級感があり手に入りにくいものを揃えている」(同ホテルを設計したグリフォンの齋藤貴史社長)
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室内はスタイリッシュな雰囲気だが、廊下は住宅用マンションの雰囲気。ひとつ気になったのは、エレベーターが客室68室に対して1基のみであること。住居用のマンションの改装だから仕方ないのだろうが、内覧会当日もエレベーター待ちの時間が長かった
室内はスタイリッシュな雰囲気だが、廊下は住宅用マンションの雰囲気。ひとつ気になったのは、エレベーターが客室68室に対して1基のみであること。住居用のマンションの改装だから仕方ないのだろうが、内覧会当日もエレベーター待ちの時間が長かった
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(文/桑原恵美子)