スタッフとのフレンドリーな会話が楽しいホテルラウンジ

 客室が狭いぶん、サービスを充実させたのがプライベートラウンジ。客室と同様に茶室をイメージしたスタイリッシュな空間で、離れのような感覚で利用できる。15時から17時までは抹茶のウエルカムドリンクが提供され、21時まではワインやコーヒー、スナック菓子などが無料。ラウンジは21時から深夜1時まで有料のバーに変わるが、ドリンクとスナックの無料サービスは別の場所で深夜1時まで提供される。

 とりわけ印象に残ったのが、ラウンジスタッフのフレンドリーで心のこもった接客だ。ラウンジではパソコンを持ち込んで仕事をすることも可能だが、若いスタッフとの会話が楽しく、あっという間に時間が経ってしまった。

 スタッフはホテルやアパレルショップでの接客経験者ばかりで、台湾人、中国人、ロシア人のほか、ネイティブに近い英語を話せる日本人が応対。今回、ラウンジで接客してくれたのは、20代や30歳そこそこの若いスタッフたちだったが、会話力に加えてホスピタリティの高さに感心した。ホテルスタッフなら当たり前かもしれないが、わずか10室のこじんまりとしたブティックホテルだからこそ味わえる心地良さなのだと思う。そのせいか、ひとり旅でやや緊張していたが、すっかりリラックスでき、滞在中、満喫できた。

 ホテル以外のフロアも23時まで営業しているので、2階でトムブラウンのコラボ商品をゆっくり試着し、セルフレジでの決済を体験。20時から始まったゲストミュージシャンによるライブの様子ものぞいてみた。そして、翌朝は、1階「コエ ロビー」の無料パンブッフェへ。パンは日替わりで5種類用意。ふっくら焼けるバルミューダのトースターを使えるのも、新しい体験のひとつといえる。

 宿泊料金は通常3万6000円~と広さのわりに高めに設定されている印象だが、デザイン性やラウンジのサービスなど付加価値を考慮すれば、決して高くはないと感じた。

 コエ事業部クリエイティブディレクターの篠永奈緒美氏によると、「アパレルショップに暮らす(泊まる)という発想から生まれた」という。設計デザインを担当したのも、話題を呼んだ“泊まれる本屋”を手がけたサポーズデザインオフィス。ホテルコエでは、アパレルの売り場で泊まるわけではないが、ラグジュアリーホテルにも負けない上質感とホスピタリティを体験しつつ、音楽と食事と買い物をひと晩で楽しめる。

  同社の石川康晴社長兼CEOは「ホテルを手がける狙いは滞在時間を延ばし、物販・飲食の客単価を上げるため。コンテンツを増やすことで顧客との関係性を強められる」と狙いを語る。和の要素を取り入れたのも、海外進出を視野に入れてのこと。従来のホテルにはなかった新しい滞在スタイルは、好奇心旺盛な外国人観光客からもきっと注目を集めるだろう。

宿泊者が離れのような感覚で利用できるプライベートラウンジ。無駄を削ぎ落としたミニマムな内装デザインとモデュレックス仕様の照明演出が見どころ。7時から25時まで営業
宿泊者が離れのような感覚で利用できるプライベートラウンジ。無駄を削ぎ落としたミニマムな内装デザインとモデュレックス仕様の照明演出が見どころ。7時から25時まで営業
[画像のクリックで拡大表示]
「ホテル内でも日本の文化を体験したい」という外国人客の声に応えて、15~17時まで抹茶のウエルカムドリンクを提供。外国人客には英語もしくは中国語などで説明
「ホテル内でも日本の文化を体験したい」という外国人客の声に応えて、15~17時まで抹茶のウエルカムドリンクを提供。外国人客には英語もしくは中国語などで説明
[画像のクリックで拡大表示]
ラウンジでは21時まで無料でソフトドリンクやワイン、ビール、スナックを提供
ラウンジでは21時まで無料でソフトドリンクやワイン、ビール、スナックを提供
[画像のクリックで拡大表示]
ラウンジの奥に設けたVIPルームにはアーティスト・奈良美智氏の作品が展示されている
ラウンジの奥に設けたVIPルームにはアーティスト・奈良美智氏の作品が展示されている
[画像のクリックで拡大表示]
ザ ティー カンパニーとコラボした限定カクテル。こだわりの玉露をジンに漬け込んだ「玉露ジン」や「ほうじ茶焼酎」「ジャスミンラム」「烏龍茶焼酎」など新しいスタイルのカクテルを味わえる。有料
ザ ティー カンパニーとコラボした限定カクテル。こだわりの玉露をジンに漬け込んだ「玉露ジン」や「ほうじ茶焼酎」「ジャスミンラム」「烏龍茶焼酎」など新しいスタイルのカクテルを味わえる。有料
[画像のクリックで拡大表示]
20時からはコエスペースで、ゲストミュージシャンによるライブがスタート。大階段が埋め尽くされるほどの観客でフロア全体が盛り上がった
20時からはコエスペースで、ゲストミュージシャンによるライブがスタート。大階段が埋め尽くされるほどの観客でフロア全体が盛り上がった
[画像のクリックで拡大表示]
厚切りトーストやイングリッシュマフィンなど 5 種のオリジナルパンが楽しめるパンブッフェ。宿泊客は7時半~10時半まで無料で提供
厚切りトーストやイングリッシュマフィンなど 5 種のオリジナルパンが楽しめるパンブッフェ。宿泊客は7時半~10時半まで無料で提供
[画像のクリックで拡大表示]
バルミューダのトースターで温め直せば、焼きたてのようなふっくらとした食感に
バルミューダのトースターで温め直せば、焼きたてのようなふっくらとした食感に
[画像のクリックで拡大表示]
パンブッフェは宿泊客でなくても注文可能。パンブッフェ550円、ドリンクバー450円。ほかにはヨーグルトフルーツグラノーラなどとセットになったメニュー(1000円)も
パンブッフェは宿泊客でなくても注文可能。パンブッフェ550円、ドリンクバー450円。ほかにはヨーグルトフルーツグラノーラなどとセットになったメニュー(1000円)も
[画像のクリックで拡大表示]

(文・写真/橋長初代)