メニューの解説が親切すぎて選べない!?

 筆者が日本酒好きの友人を伴って新橋本店を訪れたのは、1月初めの土曜。オープン直後とあってまだ店内に客の姿はなかったが、「混んできたら2時間制にさせていただく場合もあります」とスタッフに念を押された。友人はメニュー(仕入れ書)を見て、「信じられない!」と大興奮。グラス1500円前後で提供されることの多い「久保田 萬寿」は同店では1合(以下同)で876円で、一番安い「鍋島 特別本醸造」は231円。価格は通常の飲食店の3分の1程度という印象だ。

 日本酒になじみのない初心者が50種類の中から好みの日本酒を選ぶのは難しそうだが、メニューブックにはそうした初心者用に日本酒のタイプを図式化した資料や、「仕入れ書の見方」などの説明書がついている。ただあまりにも情報が詰め込まれ過ぎていて、すぐには読みきれない気もした(後で熟読し、仕入れ書の記号の意味が頭に入るとがぜん面白くなるのだが)。パッと一目見て頭に入るよう、もっと情報を整理し、シンプルに見せたほうがいいような気がした。

 2時間半ほどの間に筆者と友人が頼んだ日本酒は、5種類(324~1350円)で合計3084円。おつまみを7品(290~990円)頼み、入館料(880円×2人分)を加えた税込みの合計が9584円だった。いつもなら2人でこれくらい飲むと、酒代だけで1万円はいく。

 後で聞いたところ、同店の平均客単価は3800円とのこと。男性ならだいたい日本酒を一人3合くらい飲む人が多いそうだが、2人でおつまみ3~4品を頼んでも1人4000円にはなかなかいかないそうだ。なぜこうしたスタイルで、多店舗展開できるほどの利益を上げられるのだろうか。

メニュー冒頭にある、選び方の目安。「クラシック」(昔ながらの日本酒の落ち着いた風味)、「モダン」(フレッシュ感あふれるタイプ)に大別し、そのなかで「軽いもの」「中くらい」「濃い(深い)」風味に分け、それぞれの特徴と適温を記している
メニュー冒頭にある、選び方の目安。「クラシック」(昔ながらの日本酒の落ち着いた風味)、「モダン」(フレッシュ感あふれるタイプ)に大別し、そのなかで「軽いもの」「中くらい」「濃い(深い)」風味に分け、それぞれの特徴と適温を記している
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「仕入れ書の見方」。クラシックタイプかモダンタイプか、軽いか重いかが記され、「★」印は低アルコール、「×」はお燗に向いてない酒、「赤丸」は冷や酒で出すが途中で熱燗にすることも可能であることを示している
「仕入れ書の見方」。クラシックタイプかモダンタイプか、軽いか重いかが記され、「★」印は低アルコール、「×」はお燗に向いてない酒、「赤丸」は冷や酒で出すが途中で熱燗にすることも可能であることを示している
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「厚切りハムカツ」(290円)は日本酒には不向きかと思ったが、意外にもフレッシュなタイプの日本酒によく合った
「厚切りハムカツ」(290円)は日本酒には不向きかと思ったが、意外にもフレッシュなタイプの日本酒によく合った
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「塩キムチ」(390円)。日本酒に合わない唐辛子を抜くなどの工夫をしているとのこと
「塩キムチ」(390円)。日本酒に合わない唐辛子を抜くなどの工夫をしているとのこと
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「モッツァレラチーズの醤油漬け」(490円)。濃い風味の伝統的な日本酒にはチーズが意外に合うという
「モッツァレラチーズの醤油漬け」(490円)。濃い風味の伝統的な日本酒にはチーズが意外に合うという
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シメに人気の「鯛のひつまぶし」(990円)は2人でシェアして十分な量。刺し身で楽しんだあと、だしをかけてお茶漬けにする
シメに人気の「鯛のひつまぶし」(990円)は2人でシェアして十分な量。刺し身で楽しんだあと、だしをかけてお茶漬けにする
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