ハイエンドモデルは今後つまらなくなる?

 ハイエンドモデルがグローバルモデル中心となり、機種数も減少傾向にある中、低価格モデルやフィーチャーフォンで独自性を打ち出すというドコモの動きは、auにも共通しているものだ。実際auは、秋冬モデルとして、オリジナルのフィーチャーフォン「INFOBAR xv」に加え、初心者向けのスマートフォン「LG it」も用意した。

auの新機種として発表された、LGエレクトロニクス製の「LG it」。端末上で操作を解説するガイドアプリを用意するなど、初心者に安心感を与える設計となっている。写真は10月11日のau発表会より
auの新機種として発表された、LGエレクトロニクス製の「LG it」。端末上で操作を解説するガイドアプリを用意するなど、初心者に安心感を与える設計となっている。写真は10月11日のau発表会より
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 ドコモが低価格モデルやフィーチャーフォンの強化に動いていることには、端末の販売動向が影響していると考えられる。

 従来の端末販売における主要顧客であったハイエンドモデルの利用者は、「iPhone」を選ぶ傾向がある。加えて行政の指導によって端末の大幅値引きが難しくなり、ユーザーの買い替えサイクルも長くなっていることから、ハイエンドモデルに力を入れても収益を上げにくくなっているのだ。

 一方で、シニアを中心としたフィーチャーフォン利用者のスマートフォンへの乗り換えは、期待ほど進んでいない。そうした現状では、ハイエンドモデルよりも低価格モデルやフィーチャーフォンのほうが伸びしろが大きい。またそうした端末は、ハイエンドモデルよりも開発コストが安く済むのに加え、端末の形状などで独自性を出しやすい。

 しかも最近では、スマートフォンの“使い過ぎ”の問題が世界的に取り沙汰されており、機能制限付きのフィーチャーフォンが再び注目されつつある。個性的な端末が受け入れられる土壌が育ち始めたとみて、フィーチャーフォンの開発に着手する企業が増えたのだろう。

 現状、iPhone人気や行政の端末値引きに対する厳しい姿勢が大きく変わることは考えにくい。それだけに、低価格モデルやフィーチャーフォンが増える一方でハイエンドモデルが減り、その独自性も失われるという傾向は、今後さらに強まりそうだ。