有機ELの安定供給に不安が残るが……

 AQUOS zeroで気になるのは供給体制である。なぜなら、同機が搭載する有機ELは量産が難しいとされているからだ。しかし最近は、LGエレクトロニクス傘下のLGディスプレイなど、サムスン以外の企業も量産体制を整えつつある。今回のAQUOS zeroの発表には、シャープが有機ELの量産体制を確立したことをアピールする意味もあるのだろう。

有機ELにまつわるトラブルとしては、2017年発売の「iPhone X」が、ディスプレーの供給不足のために品薄状態が1カ月以上も続いたことが記憶に新しい
有機ELにまつわるトラブルとしては、2017年発売の「iPhone X」が、ディスプレーの供給不足のために品薄状態が1カ月以上も続いたことが記憶に新しい
[画像のクリックで拡大表示]

 とはいえ、今回のAQUOS zeroはシャープ製有機ELを搭載する初の端末だけに、安定的に供給できるかという点には懸念が残る。現段階でシャープは販路を明らかにしていないが、従来通りなら国内の大手キャリア(電気通信事業者)から販売されるはず。となると、アップルやサムスンほどではないものの、ある程度まとまった数の有機ELが必要になるのは明らかだ。

 パーソナル通信事業部の小林繁事業部長は「供給能力はある」と話しているが、AQUOS zeroを販売するキャリアを限定するという対策もあるかもしれない。

 AQUOS zeroは非常に魅力的な端末だけに、特定のキャリアでしか購入できないとなると、がっかりするユーザーも少なくないと思われる。2020年に国内のAndroid端末シェアで40%を目指すという強気の目標を掲げるシャープだけに、AQUOS zeroの品薄が続くような事態はあってはならないことだろう。

有機ELの生産体制を整え、AQUOS zeroを全キャリアで販売してほしいところだ。写真は2018年10月3日のシャープ新製品発表会より
有機ELの生産体制を整え、AQUOS zeroを全キャリアで販売してほしいところだ。写真は2018年10月3日のシャープ新製品発表会より
[画像のクリックで拡大表示]