中国のスマートフォンメーカー、オッポの日本法人であるオッポ ジャパンは、2018年8月14日にSIMフリースマホ2機種を発表。そのうちの1つ、高性能モデルの「R15 Pro」が「おサイフケータイ」に対応したことが注目を浴びている。SIMフリースマホでは数少ない「おサイフケータイ」対応モデルから見えてくるのは、日本進出に懸けるオッポの本気だ。

オッポが半年ぶりに新機種を発表

 2018年に日本市場への参入を発表し、2月に第1弾となるSIMフリースマホ「R11s」を発売したオッポ。その後は半年余りも新機種の発表がなかったが、8月14日、ようやく2つの新モデルが発表された。1つはR11sの後継機「R15 Pro」で、この4月に中国などで発売済みの高性能モデルだ。もう1つは「R15 Neo」で、日本市場初投入のミドルクラスのモデルとなっている。

「R11s」以降、日本市場向け新製品の発表がなかったオッポだが、8月14日に新モデル「R15 Pro」「R15 Neo」の2機種を発表した。写真は8月22日のオッポ ジャパン新製品記者発表会より
「R11s」以降、日本市場向け新製品の発表がなかったオッポだが、8月14日に新モデル「R15 Pro」「R15 Neo」の2機種を発表した。写真は8月22日のオッポ ジャパン新製品記者発表会より
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R15 ProはR11sより大きい6.28型ディスプレーを搭載し、デュアルカメラを強化したモデルとなっている。写真は8月22日のオッポ ジャパン新製品記者発表会より
R15 ProはR11sより大きい6.28型ディスプレーを搭載し、デュアルカメラを強化したモデルとなっている。写真は8月22日のオッポ ジャパン新製品記者発表会より
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R15 Neoはデュアルカメラと6.2型の大画面ディスプレーを搭載しながら、売れ筋の価格帯である3万円を切る低価格を実現。写真は8月22日のオッポ ジャパン新製品記者発表会より
R15 Neoはデュアルカメラと6.2型の大画面ディスプレーを搭載しながら、売れ筋の価格帯である3万円を切る低価格を実現。写真は8月22日のオッポ ジャパン新製品記者発表会より
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 フラッグシップモデルのR15 Proに加え、ボリュームゾーンが狙えるR15 Neoも投入する今回は、R11sの発表時と比べてバランスの良い構成となっている。日本のSIMフリースマホ市場をしっかり研究したラインアップと言えるだろう。

おサイフケータイ対応が示す日本市場への本気度

 今回の新モデルで注目すべきは、R15 ProがFeliCa(非接触ICカード技術方式)を搭載し、「おサイフケータイ」に対応したことである。

 実は「おサイフケータイ」に対応したSIMフリースマホは種類が少なく、提供しているのも国内メーカーが中心。海外メーカーは「おサイフケータイ」対応モデルの開発実績があるHTCと、「Apple Pay」でFeliCaを採用したアップルのみという状況だ。

R15 Proの背面にはFeliCaマークがある。写真は8月22日のオッポ ジャパン新製品記者発表会より
R15 Proの背面にはFeliCaマークがある。写真は8月22日のオッポ ジャパン新製品記者発表会より
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 ここ数年のMVNO(仮想移動体通信事業者)人気に伴って急拡大しているSIMフリースマホ市場には、海外メーカーの参入も相次いでいた。だが、定着できたのは一握りのメーカーのみ。既に撤退したメーカーや、しばらく新機種を投入していないメーカー、参入を発表したものの製品を投入していないメーカーなども少なくない。また、ファーウェイやエイスースのように、一定のシェアを獲得しながらも「おサイフケータイ」対応に消極的なメーカーもある。

 実際、オッポが1月に投入したのはR11sのみで、市場のボリュームゾーンから外れた高価格帯のモデルだったため、同社のその後に一抹の懸念を抱く向きも少なくなかった。そのオッポが、キャリア(電気通信事業者)市場に比べて規模が小さいSIMフリースマホ市場向けに、あえて「おサイフケータイ」対応モデルを投入したのは、同社が日本市場に本気で取り組むというメッセージと考えていい。

オッポ ジャパンの鄧宇辰社長は、FeliCaの搭載について「日本市場に本気で取り組む証し」だと話している。写真は8月22日のオッポ ジャパン新製品記者発表会より
オッポ ジャパンの鄧宇辰社長は、FeliCaの搭載について「日本市場に本気で取り組む証し」だと話している。写真は8月22日のオッポ ジャパン新製品記者発表会より
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今後は販路とサポートにも注力

 オッポ ジャパンは、8月22日の発表会で、日本における販路とアフターサービスの拡充を推し進めると表明している。同社の端末は、現在のところ大手家電量販店やオンラインショップでしか購入できない状況で、キャリアはもちろんのこと、MVNO向けの販路も開拓できていない。またアフターサービスも、現在のところは電話やウェブによる対応のみだ。

 オッポとしては今後、販路の拡大を図るとともに、アフターサービスに関しても新たな対応を打ち出していく考えのようだ。もっとも今回の新製品に関してはその準備がまだ整っていないもよう。鄧氏は今年中にもう2機種を追加で投入すると話しており、販路やアフターサービスの概要は、その際に明らかにされる見込みだ。

オッポ ジャパンは販路およびアフターサービスの拡充を推し進めていくこと。詳細は年内に実施される2製品とともに発表される見通し。写真は8月22日のオッポ ジャパン新製品記者発表会より
オッポ ジャパンは販路およびアフターサービスの拡充を推し進めていくこと。詳細は年内に実施される2製品とともに発表される見通し。写真は8月22日のオッポ ジャパン新製品記者発表会より
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 ちなみにオッポは、本体がスライドしてフロントカメラが飛び出すというユニークな機構を備え、ディスプレーのノッチをなくしてベゼルを極限まで減らした「FIND X」という端末を6月に海外で発売している。今後2機種が追加されるとのことで、FIND Xの国内投入が期待されるところだ。

 日本市場でのラインアップ拡大を打ち出したオッポが今後問われるのは、ブランドの確立であろう。現状、日本におけるオッポの知名度は決して高いとは言えない。体制が整うであろう今後は、同社の製品を手に取ってもらい、ユーザーからの信頼を獲得していく取り組みが求められる。

 同じ中国のファーウェイも、日本のスマートフォン市場で存在感を強め、キャリアからの支持を得るまでには長い時間を費やした。世界第4位のメーカーとはいえ、新興のオッポが日本市場で実績に作るには、息の長い取り組みが必要なことは確かだ。

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