ソフトバンクユーザーの取り込みが狙い
MVNO側が各キャリアに対応したSIMカードを用意すれば、SIMロック解除は不要になるとも言えるが、回線を借り受けると設備投資や運用コストが増えるため、MVNOとしては現状を維持したいというのが本音だろう。
ところがmineoは、2020年度に回線契約数200万件の達成を目標に掲げるなど、契約数の拡大に力を注いでいる。そのためにはSIMロックの問題で取り込めていなかったソフトバンクユーザーの転入を促す必要があると判断し、Sプランの提供に至ったとみていい。
荒木社長は、NTTドコモの場合と同様の比率でMVNOに乗り換えるユーザーがいると考えた場合、3978万件あるソフトバンクの契約数のうち9.1%に当たる約360万件がMVNOに転入してくる可能性があるとしている。しかもソフトバンクの回線が利用できるMVNOは数が少ないため、そのほとんどをmineoが獲得できるとなれば、回線契約数200万件に向けて大きな弾みがつくのは確実だろう。