5GやIoTなどの新技術を顧客目線で提供

 通信と生活系サービスの融合を掲げる高橋氏が重視するポイントとして挙げたのは、意外にも「顧客目線」であった。5GやIoTなどの新技術を活用するとなると、多くの企業はいかに新しいことに取り組むかを重視する。だが高橋氏は、そうした「プロダクトアウト」の発想ではなく、「顧客目線でサービスをつくることに徹底的にこだわる」と語っている。

 例えばビッグデータの活用。多くの企業がデータ分析によって個々のユーザーに最適化した広告を提示する仕組みの構築に力を入れる一方で、KDDIは顧客を知り、ライフデザイン商材のマッチングを高めることに活用するという。

 そしてもうひとつ、高橋氏が重視するのがパートナーとの協業である。「5Gでは3Gの時代と同じような議論がなされている」と言う同氏は、3Gの時代にはその特性を生かすべく「着うた」などを開発したことや、グーグルの検索サービスを導入したことなどを振り返った。5Gでも3Gと同様、通信方式の特性を生かしながらパートナー企業と一緒にサービス開発を進めていくというわけだ。

 高橋氏は、パートナーとの協業を図るべく、5GやIoTのビジネス開発拠点「KDDI DIGITAL GATE」を2018年の夏にオープンすることを明らかにした。また同時に、200億円規模の投資ファンド「KDDI Open Innovation Fund 3号」の立ち上げも発表。ベンチャー企業にも積極的に投資する方針とのことだ。

5GやIoTといった新技術に強いパートナーとのビジネスを推進するべく、KDDIは今年夏に東京・虎ノ門にビジネス開発拠点の「KDDI DIGITAL GATE」をオープンする。写真は4月5日のKDDI記者会見より
5GやIoTといった新技術に強いパートナーとのビジネスを推進するべく、KDDIは今年夏に東京・虎ノ門にビジネス開発拠点の「KDDI DIGITAL GATE」をオープンする。写真は4月5日のKDDI記者会見より
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 それらの取り組みには、2017年に買収したIoTベンチャーのソラコム(東京・世田谷)など、傘下企業が持つ技術や知見を生かしていくとのこと。豊富な資金と多くの技術リソースを持つ自社の強みを生かしながら、新しい時代に向けたビジネス開拓を進めていくことが、高橋氏の大きな狙いとなっていることが分かる。