10強の中から1品種選ぶ難しさ

 甲乙つけるのではなく、基準米と比べて食味を評価してもらったが、同じ銘柄であっても審査員によって評価が正反対に分かれるものもあった。ご飯単体で食べるのか、何のおかずに合わせるのか、炊きたてなのかお弁当にするのか、条件によって選ぶお米は異なるため、審査員各々に1位と2位のお米を挙げてもらい、品種を絞り込むことになった。

発表! 米のヒット甲子園が選んだ「今一番食べてほしいお米」~白熱の審査会をレポート(画像)
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川崎恭雄氏
1位「あきたこまち」、2位「ふっくりんこ」「つや姫」
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「あきたこまち」は香りが一番良かった。甘みもあり、しっかりもっちり。次に香りが好きなのは「ふっくりんこ」。基準米に近い感じがした「つや姫」も好み。
阿藤快氏
1位「あきたこまち」、2位「ゆめぴりか」
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「あきたこまち」はふっくらしてつやがあり、味もなかなかのもの。完食してしまった。「あきたこまち」に近かったのが「ゆめぴりか」。柔らかくつやがあり、噛むとなんともいえない甘みが出た。
笹岡隆次氏
1位「ふっくりんこ」、2位「あきたこまち」「なすひかり」
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「ふっくりんこ」の香りが好き。甘みと後味に残る旨味もいい。朝食に食べたいご飯。「あきたこもち」も甘い香りがした。硬さともっちり感のバランスが良い。「なすひかり」は香りにも味にもボリュームがあった。
内山英仁氏
1位「ふっくりんこ」、2位「ゆめぴりか」
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何と一緒に食べるかで選ぶお米は変わる。ご飯を単体で食べるとしたら、「ふっくりんこ」のまとまった一体感、しっとり感はなかなかのもの。「ゆめぴりか」は咀嚼回数が少なくても舌になじむところが気に入った。
松田美智子氏
1位「ふっくりんこ」、2位「あきたこまち」「ゆめぴりか」
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硬めで弾力のあるお米が好き。私の場合、おかずと一緒に食べるという前提があるので、甘さは求めていない。「ふっくりんこ」は適度な硬さと弾力があり、おかずの邪魔をしない味。「あきたこまち」も自分の好みに近い、噛めるお米だった。「ゆめぴりか」はもっちり感がありつつ、きっちり噛めるバランスの良さを評価した。
はっしー氏
1位「ゆめぴりか」、2位「コシヒカリ」
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どちらを1位にするか悩んだ。今回の「コシヒカリ」は、もちもちした粘りがあった。冷めると粘りが抑えられ、甘みが増した。「ゆめぴりか」の方が、後からぐっとくる甘みが強いので1位にした。粘りが強すぎず、キレもあり、ちょうどいいむっちり感。
渡辺和博
1位「コシヒカリ」2位「ゆめぴりか」
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それぞれ違った美味しさがあった。一番好きなのは「コシヒカリ」。次点は「ゆめぴりか」。

三つ巴の2回戦を制した「ふっくりんこ」

 審査委員に1位と2位を聞いた結果、名前が多く挙がったのが「あきたこまち」「ふっくりんこ」「ゆめぴりか」だった。もう一度この3銘柄を食べ比べ、「米のヒット甲子園2015~食べてほしいお米」を決めることになった。

 最初の審査時より冷めた状態での2回戦は、炊きたてとは違った味わいがあり、お弁当にしたときにどうかという視点も加わった。

「あきたこまち」「ふっくりんこ」「ゆめぴりか」の3銘柄による最終審査が急きょ行われた
「あきたこまち」「ふっくりんこ」「ゆめぴりか」の3銘柄による最終審査が急きょ行われた
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 さまざまな意見が出たが、話し合いの末、最終的に全会一致で「ふっくりんこ」が「2015年、今一番食べてほしいお米」に選出された。その理由は、香りの良さで、特に炊きたての香りと冷めてからの香り、2つの香りを楽しめるところが高い評価を得た。加えて、冷めても柔らかいところ。ただ柔らかいのではなく、適度なもっちり感もあり、噛める柔らかさであることも高評価だった。

 「ふっくりんこ」の産地は、昨年優勝した「ななつぼし」と同じ北海道。「米のヒット甲子園2015」は、北海道の二連覇で幕を閉じた。

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(文/辛智恵、写真/中村宏)

米のヒット甲子園の審査員を務めていただきました阿藤快氏が亡くなりました。大きな声で「どのお米もおいしい!」と笑顔で試食していた姿が忘れられません。審査会の議論が煮詰まると、真っ先に意見を述べて、場を盛り上げてくれた阿藤氏の心遣いにも本当に感謝しています。ありがとうございました。ご冥福をお祈りいたします。