情報発信はブログから始める

――次は、情報発信ですね。

江副: はい。地方の小さな企業に、大々的に広告展開するような予算はありません。まずは、自社のホームページを作って、といいたいところですが、それも結構難しい。ホームページを作っても運営できない、そこで物を売れるようにするには仕組みが必要、というような課題が多いからです。そこで、まずは経営者が自分のブログを立ち上げる、ここから始めるようにしています。ブログであれば、情報の更新が手軽にできますし、経営者個人のものとして、今後の商品展開に可能性がある人と個人的につながることもできます。

 情報発信では、「見つけてもらう」ということも大事にしています。大規模な広告展開をしなくても、製品がしっかりしていて、「売れる」ためのデザインが出来上がっていれば、経営者個人のブログ程度のものであっても、その製品を見つけてくれる人が出てきます。百貨店やセレクトショップのバイヤーさんは、「特徴があって、利益が出せる商品」をいつも追いかけています。こういった人たちの目に留まるようになれば、少しずつ販路を拡大できるようになります。

 こういった活動の成功例として挙げられるのが、福岡県みやま市にある花火メーカー、筒井時正玩具花火製造所です。老舗の花火メーカーが作る国産の線香花火を、「特別な線香花火」に仕立て、高級感のある「買いたくなるパッケージ」に入れて、情報発信しました。海外製の廉価製品と比べると、花火の時間も長く、高級感があります。ただ、それでも「線香花火」に過ぎないので、高級な木製の箱に入れ、点火用の国産高級ろうそくをセットにして「売れるデザイン」を作りました。その結果、国産線香花火というだけではないブランド価値が出てきて、1万円という価格設定でもセレクトショップや百貨店からの引き合いが増えたのです。

地元の人が気づかない特徴を発見 地方創生に生かす「外部の視点」(画像)
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線香花火と和ろうそく、ろうそく立てをセットにした「花々」(1万円)