VRアプリの収益は9割を海外から

――VR版はアプリによる配信という形ですが、これまでのようなDVD/BD販売や動画配信サイトでの配信との大きな違いはなんでしょう?

石川: 有料のアプリなので我々は視聴者、ファンから直接お金をもらうという立場になります。最近のお客さんは、特定のクリエーターを応援したいからお金を出して商品を買う、そういう人たちが多いんです。

 アニメはお金がかかります。製作委員会方式でリスクヘッジして作るという日本独自の形は、それはそれでいいシステムだと思います。しかし、これからは視聴者やファンが作っている人たちに直接還元したいという流れです。クラウドファンディングもそういう考えですよね。

 今回の「攻殻機動隊 新劇場版 Virtual Reality Diver」ではそういう環境作りや、このシステムの中でクリエーターが存分にやりたいと思えるような環境作りを目指してきました。会社としてビジネス面も含めてここで経験値を積んで、特に海外で外貨を稼げればと思います。

VR版「攻殻機動隊」でビジネスモデルだけでなく人材も育てたい~プロクダション I.G 石川光久氏(画像)
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――外貨ということは、海外ファンにも期待しているのですか?

石川: 収益源は9割以上が海外だろうと考えています。これが国内だけでやるのなら、今までのシステムでお金を集めてやれたでしょう。しかしこれを海外に持っていくというチャレンジが大事だと考えています。

――作り手側は世界を相手にするという意識が強いのでしょうか?

石川: 作り手は世界に向かって作る必要はないんです。国内向けに、半径5mや10m以内にいる人を喜ばせるようなものを作ればいいんです。海外に向かって作ろうとか、海外のお客さんを意識して作る必要はありません。そこから日本で作っても世界に届くような動画配信とかアプリ、そういった仕組みがあればいい。言葉の問題はありますが、I.Gはかなり国際色豊かでいろいろな国籍の社員が在籍している会社なのです。そういう日本を意識しない、いろんな国の人が働けるボーダーレスな組織作りを意識してきました。