使い勝手の良さがクチコミで広がり、発売から6年を経た現在も7カ月の入荷待ちという国産ホーロー鍋「バーミキュラ」。生産量が少ないこともあるが、密閉性が高く無水調理などに向くことで息の長いヒット商品になっている。
この鍋を用いた炊飯器「バーミキュラ ライスポット」が12月に発売される。特徴的なのは、鍋と家電が“合体”したような見た目だ。
●サイズ・重さ/幅311×高さ208×奥行き296mm(鍋含む)・約6.9kg(鍋約4kg、調理器部約2.9kg)
●鍋容量/約3.7L
●炊飯容量/白米1~5合、玄米1~4合、おかゆ1~1.5合
●調理モード/中火・弱火・極弱火・保温(30~95℃)
●消費電力/1350W
●主な付属品/専用リッドスタンド、米計量カップ、水計量カップ、レシピブック
釡として使う鍋はバーミキュラを炊飯用に再設計したもので、底面などの形状を変えて炊飯時に対流が起こりやすくしたという。従来のバーミキュラと同じように、火にかけて使うこともできる。IH機構を備える本体には炊飯と調理の2つのモードがあり、煮込み料理なども作れる。
閉めると機械的にロックされる外蓋がないのも特徴。一般的な炊飯器は、密閉性を高めながら蒸気口も設けるために、外蓋や内蓋、ゴム製パッキンといった複数の部品があり、これらを取り外して洗う手間がかかる。バーミキュラは蓋だけのシンプルなつくりなので洗いやすく、調理に使ってもにおいが残りにくい。鍋の蓋がじかに外気に触れるので、「加熱される底面との温度差が大きくなり、炊飯時に強い対流が起きやすい」(製造・販売元である愛知ドビーの土方智晴副社長)のも利点という。
ご飯もおいしく炊ける「多機能調理家電」
試作器でご飯を炊いてみたところ、10万円以上する高級炊飯器と比べて遜色のない仕上がり。米は粒がしっかりと立ち、甘みや香りが十分に引き出されていた。調理器としても極めて優秀。火力は3段階、時間は1分単位で設定でき、ローストビーフやポトフ、スープなども“ほったらかし”で作れた。保温モードを使えば低温調理も簡単にできる。価格は約8万円(税別)と高めだが、これらの機能を1台で兼ねると考えれば納得感はある。名前こそ炊飯器だが、ご飯もおいしく炊ける「多機能調理家電」として注目していい。
実用性 ⇒ 炊いたご飯は高級炊飯器と遜色なく、調理家電としても実用性が高い
価 格 ⇒ 高めだが、ご飯がおいしく炊ける多機能調理器と考えれば納得できる

(文/日経トレンディ編集部)