安さと必要十分な機能が特徴の「ジェネリック家電」で知られるアイリスオーヤマが、IH炊飯器「銘柄量り炊き RC-IA30」(実勢価格2万9800円・税別)を発売した。この市場では、大手が安価で高性能な製品を多数販売しているが、今回の新製品は、味と使い勝手のそれぞれで類を見ない機能を備えている。
アイリスオーヤマがまず着目したのが、水の量だ。水が炊き上がりの味に及ぼす影響は大きく、特に「最適な水量よりも少ない場合は、僅か10%の違いでも多くの人が『おいしくない』と感じる」(アイリスオーヤマ)。半面、最適な水の量で炊けている人は少なく、同社が主婦を集めて炊飯の様子をモニタリングしたところ、ほとんどの人が水を多め、もしくは少なめに入れていたという。
そこでRC-IA30は、米の銘柄と量に応じて、最適な水の量を5cc刻みで表示する機能を搭載。水の重さを基に、残りの水量がカウントダウン表示されるので、「OK」の表示に変わるまで水を注げばいい。1.7合、2.2合といった中途半端な米の量でも、最適な水の量を瞬時に表示。少しだけ炊く機会が多い人でも使いやすいというメリットもある。
●サイズ・重さ/幅225×高さ212×奥行き280mm・4.2kg
●炊飯容量/0.5~3合
●消費電力/炊飯時800W(IH調理時は1000W)
本体が上下に分離する構造が目を引く
使い勝手の面では、本体が上下に分離する構造が目を引く。本体上部はおひつ代わりにそのまま食卓に持っていける。さらに、本体下部はIH調理器として単体でも利用可能。炊飯器サイズのため、直径18cmまでの鍋、フライパンしか使えないが、火力は1000Wと十分だ。単身者なら、これ一台で多くの料理がこなせる。
本体の下部から上部へは、ケータイの非接触充電と同じ方式で送電するなど、技術的にも見どころの多い製品だ。3万円を切る価格設定は、機能、性能を考えれば魅力的。販売目標は1年で5万台前後というが、それ以上のヒット商品に育つ可能性もありそうだ。
実用性 ⇒ 少ない量の炊飯でも使いやすく、一人暮らしや小世帯に向いている
価 格 ⇒ 銘柄別の炊き分けに対応しながら、3万円を切る価格は十分に魅力的

(文/日経トレンディ編集部)