販売台数500万台を突破した富士フイルム「チェキ」を筆頭に、近年インスタントカメラが世界的なブームとなっている。そんなアナログ回帰の流れのなか発売されるのが、iPhoneに装着し、内蔵カメラを利用して撮影を行うインスタントカメラ「PRYNT POCKET」だ。
●サイズ・重さ/幅80×高8月中7月1日さ115×奥行き50mm・210g
●充電時間/180分(20枚の印刷が可能)
●バッテリー/リチウムイオンバッテリー
●付属品/ペーパーカートリッジ、ZINK StickerPaper(10枚)、マイクロUSBケーブル
●対応スマートフォン/iPhone 5/5s /SE、6/6s、6/6s Plus、7、7 Plus
若い世代を中心に販売を拡大する狙いで、「銀塩カメラになじみがない世代は、紙にして思い出を残すこと自体が新鮮」(バリュートレードジャパン)という。
iPhone越しに覗けば、写真が動き出す
最大の特徴は、AR技術を使った動画再生機能を搭載した点。印刷した写真をiPhone越しに覗けば、写真が動き出すという演出だ。専用アプリで最長20秒までの動画を撮影すると、動画データがプリント社のサーバーにアップされる。その動画の一部をプリントした写真が“QRコード”のような役割を果たし、アプリで読み込むと写真が動き出したかのような動画が再生される仕組みだ。
プリント時に使用する紙は、インクを使うことなく発色する「ZINK PAPER」。サイズは4.7×7.6cmで、背面はシールになっているため日記などに貼り付けられる。チェキとは違い、すぐに印刷されるので仕上がりを待つ必要もなく、手軽に使える。
ただ、発色にはやや特徴があり、画面上で確認できる撮影データに対して肌などが暗めに仕上がる。人物を被写体にすることが多いインスタントカメラとしては魅力に欠ける印象だった。
本体にはシャッターボタンが搭載され、iPhoneの画面に触れずに撮影可能だ。ズームを調節するダイヤルもあり、一眼レフカメラ同様の操作感だった。フランスのメーカーによる商品だが、アプリは日本語化済み。動画撮影を含めたアプリ操作はやや複雑なものの、使いこなせば画像補正や加工もできる。
クラウドファンディングサイト「Makuake」では、目標金額を早々にクリアするなど注目を集めており、8月以降には量販店などにも販路を拡大していく。
(文/日経トレンディ編集部)