この記事は「日経トレンディ」2016年8月号(2016年7月4日発売)から転載したものです。内容は基本的に発売日時点のものとなります。

 日本初となるスマートフォン専用の証券会社「One Tap BUY」が誕生した。取り扱うのは当面、米国株のみ。従来、日本人には敷居が高かった米国株投資を、あえて「初心者向けの少額投資」に絞ったサービスにしている。インターフェースもスマホに合わせて工夫されており、たった3タップで売買ができる。

 日本から取引できる米国株は数千銘柄以上あるが、同社で売買できるのは僅か30銘柄。アップルやマクドナルドなど知名度も高く、初心者でも取引しやすい企業だけだ。「米国株を30銘柄から増やしたり、入れ替えたりする予定は現状ない」(同社社長の林和人氏)。ただし今後、日本株など商品の種類を増やす計画はあるという。

 「ちょうど1万円分」など、円建ての金額を指定して米国株を売買できることも特徴の一つ。通常、株式は売買時点の株価の整数倍の金額でしか取引できない。しかし同社では、例えば1株50ドル(1ドル=107円なら5350円)の銘柄を1万円分、約1.87株買うことができる。

 これは同社自体が株の「在庫」を持ち、ユーザーは市場からではなく同社から株を買うという独自の仕組みのためだ。米国市場が開いていない日本時間や休日でも、在庫切れでない限りは売買できる。

 売却時も「1万円分だけ売る」ことが可能。「資産のうちA社が20%、B社が15%」などと表示された円グラフをなぞることで、「B社が20%になるまで買い増す」といった操作もでき、直感的に資産を管理しやすい。

 売買コストは、1回当たりの売買金額が少ないほど、既存の国内ネット証券に対して有利。他社は売買手数料に「最低5ドル」などの下限があるが、同社のコストは売買金額の0.5%など比率で決まるからだ。1度に売買する金額が数十万円程度まで増えると、他社よりむしろ割高になる場合がある。

 投資情報があまり充実していないといった発展途上の部分もあるが、米国株投資の入門用としては選択肢になりそうだ。