吸引力に強みがあるものの、バッテリーの持続時間が短めで動作音が大きい――。そんなイメージを持たれていたダイソンのコードレススティック掃除機。“汚名”を返上すべく、同社が5月27日に発売したのが「ダイソン V8」シリーズだ。
一見すると旧モデルの「V6」シリーズとそっくりだが、実は内部の機構が刷新されている。新モデルは毎分11万回転する新モーターを搭載したことで、旧モデルと比べて吸引力を約15%アップ。さらに、本体内の空気の通り道を見直した他、遮音材を入れるなどして、動作音を約半分にしたという。
実際に新旧モデルの動作音を比べたところ、ダイソン特有の甲高い音はしっかり抑えられていた。騒音計で測ったところ、標準モードで最大4.7dBほど数値が低い。騒音が6dB低いと音圧が半分とされるので、「約半分」に比較的近い結果といえる。
●サイズ・重さ/幅250×高さ224×奥行き1244mm・約2.61kg(パイプと標準ヘッドを含む)
●吸い込み仕事率/115W
●連続運転可能時間/約40分(モーター駆動ヘッドは30分、MAXモードでは最長7分)
●バッテリー容量/3000mAh
●充電時間/約5時間
※スペックは「V8 fluffy」のもの

ごみ捨て機構を刷新したのも特徴
吸引力はどうか。猫砂を吸わせたところ、新モデルは旧モデルより0.5~1cm離れた位置から掃除できるなど、わずかながらパワーの向上は実感できた。また、バッテリー容量が約1.4倍になったことなどで、連続運転可能時間は旧モデルの2倍に相当する最大40分に延びたという。旧モデルの弱点とされていた部分を、それなりに解消したと言っていい。
新モデルはごみ捨て機構を刷新したのも大きな特徴だ。レバー操作でダストボックスの蓋が開き、ごみが落下する仕組みは基本的に同じ。ただし、レバーを引き上げる構造になったことで操作しやすくなったうえ、へら状の部品がフィルターに付着したほこりをこそぎ落とす。このため、メンテナンス性が向上した。
一方、もともと重めだった本体部分がさらに約300g重くなったうえ、実勢価格は付属するヘッドの違いによって税込み7万~9万円台と、スティック掃除機としては高額。費用対効果に納得できるなら、選択肢に入れてもよいだろう。
(文/日経トレンディ編集部)