オーディオメーカーのオンキヨー&パイオニア イノベーションズから、ハイレゾ対応のSIMフリースマホ「GRANBEAT」が発売された。これまでのハイレゾ対応スマホとは一線を画し、同社のハイレゾオーディオプレーヤー「DP-X1A」をベースに通信機能を搭載。むしろスマホ機能を持ったハイレゾプレーヤーといえる。
「GRANBEAT DP-CMX1」
●サイズ・重さ/幅72×高さ142.3×厚さ11.9mm・234g
●液晶/5型(1920×1080)
●CPU/Qualcomm MSM8956 ヘキサコアプロセッサー
●メモリー/RAM3GB、ROM128GB
●カメラ有効画素数/1600万(背面)、800万(前面)
●バッテリー/3000mAh
●連続駆動時間/待ち受け480時間、連続通話22時間、連続再生25時間
8万4800円で、スマホとしては高額。ただ、DP-X1Aの実勢価格は7万円を超えており、1万円程度の追加でスマホ機能が付くと考えれば割安感もある。
音楽好きハイレゾユーザーが2台持ちせずに済むのが魅力
同様に、サイズ・重さはスマホとしてはボリュームがあるものの、ハイレゾプレーヤーとの一体型と見れば十分健闘。加えて、ハイレゾプレーヤーの中・上級機で主流となりつつある、左右の音を独立して駆動するフルバランス出力端子や、ブルートゥース接続時のハイレゾ相当の出力にも対応する(aptX HD)。
つまり位置づけとしては、音楽好きのハイレゾユーザー向けで、スマホと2台持ちせずに済むのが最大の魅力といえる。
そこで気になるのが音質だ。電波を発するスマホはノイズが多く、音質に影響が出やすい。GRANBEATでは通信とオーディオの基板を分離し、さらにオーディオの基板にはノイズを遮るシールドを施しているという。
7万円台の価格帯としては自然な音作りに定評があるハイレゾプレーヤーのDP-X1Aと聞き比べてみたところ、音の味付けは多少異なるものの、同レベルといえる高音質だった。通信によるノイズを除去して、この音質に仕上げた点は評価できる。
通話と併用した際のバッテリー持ちや、スマホとしての携帯性など、使い勝手の面では課題も残す。ただ、オーディオプレーヤー並みの音質を誇るスマホとしては唯一の選択肢。ハイレゾユーザーにとっては検討に値する商品ではある。
実用性 ⇒ 機能は充実するが、スマホとしては厚さや重さの面で携帯性に課題
価 格 ⇒ 高めの設定だが、スマホやオーディオとしての性能を考慮すると相応

(文/日経トレンディ編集部)