この記事は「日経トレンディ」2018年2月号(2018年1月4日発売)から転載したものです。内容は基本的に発売日時点のものとなります。

 花粉症の軽減やインフルエンザの予防などが期待できる空気清浄機。ただ、世帯普及率はまだ4割程度と意外に少ない。

 その原因の一つに置き場所の問題がある。よくある床置きタイプは奥行きが20~30cmあり、「ロボット掃除機の動作時に邪魔という意見も多い」(シャープ)。また置き場所によっては、電源ケーブルが届かないこともある。

 置き場所と電源の問題を一挙に解決したのが、同社の「天井空清」だ。12畳用のLED照明と空気清浄機を合体させた着眼点が秀逸。「PM2.5」などの細かいちりも取り除けるHEPAフィルターと、消臭やウイルスの抑制に効果があるとうたう「高濃度プラズマクラスター」の発生装置を内蔵する。リモコンで空気清浄機能をオンにすると、真下から空気を吸い込み、フィルターでろ過した空気にプラズマクラスターを加えて排出する。上からプラズマクラスターが降るので、床置きタイプよりも効率よく消臭などができるという。

シャープ「天井空清 FP-AT3」
予想実売価格/9万7000円前後(税込み)
サイズ・重さ/直径625×高さ172mm、7.9kg(据え付け用付属品を除く)
適用畳数(照明)/約12畳(空気清浄は最大14畳)
風量/1~3.1m3
消費電力/53~75W(LED消灯時は5~27W)
運転音/23~45dB

運転イメージ図。下から空気を吸い込み、ろ過後にプラズマクラスターを加えて側面から排気する
運転イメージ図。下から空気を吸い込み、ろ過後にプラズマクラスターを加えて側面から排気する
照明と空気清浄機の両方の操作ができるリモコンが付属
照明と空気清浄機の両方の操作ができるリモコンが付属

 照明と空気清浄の機能は別々に動作するので、昼間に空気清浄機能だけを使うことも可能。消費電力は、LEDと空気清浄をオンにした状態でも最大75Wで、同じ明るさの蛍光灯シーリングライトより省電力だ。風量を「パワフル」や「強」にすると風切り音がしたが、「静音」や「中」のモードでは動作音は気にならなかった。

 LEDシーリングライトとしての特徴は、通常の「寒色」「暖色」以外に「ソメイヨシノ」「八重桜」など、ピンク系の調色ができること。「気持ちが癒やされる効果が期待できる」(シャープ)。明るさも10段階から選べる。

「寒色」から「暖色」まで10段階に色調を調節できる他、ピンク系の「ソメイヨシノ」「八重桜」も選べる
本体の中央部分のパネルを下に引くと、使い捨てのプレフィルター(6枚で税別850円)を交換できる
本体の中央部分のパネルを下に引くと、使い捨てのプレフィルター(6枚で税別850円)を交換できる

 ただし、2つの機能が一体化して安価になったとはいえない。同社の加湿空気清浄機は18畳タイプでも税込み5万円以下で買えるし、12畳用のLEDシーリングライトは税込み2万~3万円の製品が多い。税込みで10万円近くになる天井空清は割高になる。ただ、引っ越しなどで照明機器の交換を考えているなら候補に入れたい製品だ。

床置き型では、IoT機能を備えた「KI-HP100」(税込み13万8000円)を1月25日に発売
床置き型では、IoT機能を備えた「KI-HP100」(税込み13万8000円)を1月25日に発売

(文/日経トレンディ編集部)

この記事をいいね!する