【分析2】シングルでみたヒット曲~長く愛されている曲は「TSUNAMI」だけじゃない!

 次に、各ヒット曲について見てみます。まずは、その指標として、最も語られることの多いシングルセールスの売り上げ順で見てみます(以下、表中にて「サザンオールスターズ」は「SAS」、「KUWATA BAND」は「KB」と表記)。

表3 シングルセールスTOP10
売上順 名義 曲名 売上
(万枚)
発売年
1 SAS TSUNAMI 294 2000
2 SAS エロティカ・セブン 174 1993
3 桑&Mr.C 奇跡の地球 172 1995
4 SAS 涙のキッス 155 1992
5 SAS 愛の言霊~Spiritual Message 140 1996
6 桑田 白い恋人達 123 2001
7 SAS あなただけを~Summer Heartbreak~ 113 1995
8 桑田 波乗りジョニー 111 2001
9 SAS シュラバ★ラ★バンバ 97 1992
10 Z団 江ノ島 90 1993


 これを見ると「TSUNAMI」「エロティカ・セブン」「奇跡の地球」「涙のキッス」「愛の言霊」と、確かにヒット曲と呼ばれる楽曲が多いのですが、TOP10はいずれも1992~2001年とミリオンヒットが連発していた時代に集中しており、それ以外の時代と同列で並べても「ヒット曲」は見えにくいと思われます。そこで、ここではロングヒット順に並べてみました。

表4 シングルロングセラーTOP10
ロングセラー順位 売上順 名義 曲名 ランクイン週数 発売年
1 1 SAS TSUNAMI 49 2000
2 13 SAS 勝手にシンドバッド 38 1978
2 15 SAS いとしのエリー 38 1979
4 19 SAS チャコの海岸物語 37 1982
5 36 桑田 悲しい気持ち 35 1987
6 21 SAS 真夏の果実 34 1990
7 33 SAS ピースとハイライト 30 2013
7 39 SAS ボディ・スペシャルII 30 1983
9 38 SAS Ya Ya(あの時代を忘れない) 29 1982
10 26 KB BAN BAN BAN 26 1986
11 42 SAS ミス・ブランニュー・デイ 25 1984
15 32 桑田 明日晴れるかな 23 2007
15 43 SAS 匂艶 THE NIGHT CLUB 23 1982
15 46 SAS メロディ(Melody) 23 1985
15 63 SAS 東京シャッフル 23 1983
※オリコンTOP100登場週数を集計。11位以下は売り上げがTOP30圏外のものを掲載。「勝手にシンドバッド」は、03年発売の記念盤も合算


 これを見ると、1位は売り上げ順と同じく「TSUNAMI」で、やはりこの曲が一般リスナーにとって最強であるようです。その後を見ると「勝手にシンドバッド」「いとしのエリー」「チャコの海岸物語」、そして桑田ソロの「悲しい気持ち」など、“ザ・ベストテン世代”には懐かしいヒット曲が並んでいます。

 また、10位にはKUWATA BANDの「BAN BAN BAN」もランクイン。この曲は、おニャン子クラブ全盛で、ヒット曲が毎週のように大きく入れ替わる1986年に発売されましたが、13週連続TOP20入りし、ザ・ベストテンでは年間1位となりました。意外なところでは、15位に1983年の「東京シャッフル」がランクイン。累計では10万枚そこそこの売り上げですが、同年末のNHK「紅白歌合戦」に出場し、メンバー全員で楽器を持たずダンスしたことが話題となり、年明けも数カ月間チャートインするという、時代を先取りした紅白効果が実は起こっています。

 88年に8cmシングルCD、05年に12cmシングルCDでの過去作品の一挙発売があり、その分全体にロングヒット感が底上げされていますが、それでものべ20週間、5カ月以上というロングヒットが、70年代から10年代まで5年代にわたり、さらにいくつものアーティスト名義で合計23作もあるというのは桑田佳祐のみです。