【リテールAI検定対策講座1　流通を取り巻く環境とAI活用の重要性（講義全文）】

　皆さん、こんにちは。リテールAI研究会、田中です。このたびは、当会のリテールAI検定をご受講いただき誠にありがとうございます。まず、このリテールAI検定の背景につきまして、少しお話しさせていただきます。

　現代は、第4次産業革命の時代といわれております。その中心となる技術がAIです。産業革命は、産業構造が大きく変化する時代です。既存の産業は大きく変質するか、新しい産業構造を持ったところに、取って代わられる可能性があります。今、業界で1位のところも安泰ではありません。逆に2位以下の企業は、大いなるチャンスが来る時代と言えます。

　AIは多額の設備投資がなくても導入が可能で、劇的な変化を起こす可能性があります。この時代で生き残るには、AIをいち早く取り入れることが鍵となります。流通業界も例外ではなく、この波が押し寄せています。アマゾンを筆頭とする、ネット流通が台頭し、すでに、この変化は始まっていると言えます。リアルな店舗を持つ流通チェーンもこの変化に対応しなければなりません。アリババのジャック・マー氏の言う、ニューリテールの時代となっています。

　すでに世界では、アマゾンやアリババがリアルの店舗に進出しています。逆にリアル店舗のウォルマートやクローガーは、デジタルに莫大な投資をしています。現在の通信、コンピューターの技術は瞬時にして国境を越えていきます。その中で、さまざまな無理、無駄、むらを抱えた独自の構造や商習慣を持った日本の流通業も、この大きな流れの中に巻き込まれようとしています。このような時代に生き残るには、おのおのが、時代に合わせて変化していくことが重要です。企業においては、経営陣がそのことを理解して、人材の確保・育成にあたることが必須事項です。

　流通業界におけるAI活用についての情報収集や実験を行っておりますリテールAI研究会では、リテールAIの導入・活用について、それを促進するには、人材の育成が必須であると考えます。そのために、システムを導入・活用する流通業界のみならず、そのシステムを利用するメーカー、卸の方々、獲得できる膨大なデータを活用しようと考える企業の方々、さらには、流通業界を目指す一般の方、学生の方に至るまで、リテールAIの知識、技能を共有するために、今回のリテールAI検定を実施することにいたしました。

　リテールAIの知識とは、AIの基礎知識に加え、リアル流通におけるサプライチェーンマネジメントにおけるAI活用、カテゴリーマネジメントにおけるAI活用、ショッパーマーケティングにおけるAI活用です。今回は、それぞれの基礎知識についての講義を視聴いただき、終了後に検定試験を実施していただいて、合格者の方を認定させていただきます。それでは、皆さま、しっかりと学んでください。

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