ウェブ解析士試験対策1 イントロダクション
【ウェブ解析士試験対策1 イントロダクション(講義全文)】
まずイントロダクションとしてウェブ解析士認定講座の概要とポイントについて、ご説明します。まずウェブ解析とは何かというところについて、演習を通して見ていきましょう。
戦後間もないころのお話です。とある行商の豆腐屋さんがいらっしゃいました。この豆腐屋さんはリヤカーを引きながら毎日豆腐を売り歩いていたのですが、2つの悩みがありました。まず1点目。売れるときはすぐ品切れになってしまい、それ以上売ることができない。2点目。売れないときは売れ残ってしまって、それをすぐ捨てるしかないという2つの悩みがありました。いろんな方に相談しながらこの豆腐屋さんは悩みを解決していったのですが、いったいどのようにして解決していったのでしょうか。
正解ですが、この豆腐屋さんは売りながら、売れたデータを調べていって、その調べたデータを確認しながらさらに売っていったということになります。日々、自分が歩いたルートに対して、日付であったりとか、天気であったりとか、曜日であったりとかというデータをつけながら、何個売れたかというものを記録していって、それを踏まえて、じゃあ、今日は何月何日のこの天気なのでどれくらい売れるだろうという予測を立てながら、豆腐の個数を調整していったということになります。これをやることで今まで行商としてリヤカーを引いていたところ、店舗が2店舗ほど持てるようにまで拡大できたという事例になります。
この事例ですけども、聞かれると、データを見たんではないかと答えられるかとは思います。ただ、実際にそれを実現するのはかなり難しいことです。また、いろんな業界に長くいると、人の勘というものを頼りにするところがありますが、なかなか経験が当てはまらないような時代になってきています。なので、データを見ながらマーケティングをするということが非常に重要になっているという事例です。
では、データとは何かというところをあらためて考えてみましょう。データとはいったい何を指すのでしょうか。ウェブ解析におけるデータというものはただ数字を見ているだけではなくて、その数字からユーザーの心理および行動を記録されているものと認識しています。実際に豆腐が売れた数というだけではなくて、それは豆腐を買おうとしたユーザーのニーズということで、どういう日付、どういう曜日、どういう天気のときに豆腐を必要としたかというところを記録していったという話になります。
そのためにデータを踏まえて行動するということは、そのデータからユーザーの心理状況を知り、ユーザーの満足度を上げていくということで、事業に成果をもたらしていくというところが一番のポイントとなっています。これまでも、定量的なデータとしてページビューであったり、セッションというような定量的なデータを踏まえて分析することは多くありました。しかし、昨今、1人のユーザーに対してどれだけ満足度を上げられるかというところが一番のポイントとなっています。よりミクロに注目をした解析というものが必要となっているということです。
ということで、ウェブ解析士認定講座ではこのあたりを踏まえながら、分析とはどうしていけばいいかというところを学んでいくようになっています。あらためてここで認定講座の立てつけについてご説明します。
まず皆さんが今、受講されているのがウェブ解析士認定講座になります。こちらは今、10年ほどで3万名ほどの受講者がいらっしゃいます。合格率としてはだいたい70パーセントとなっています。こちらで身に付けた基礎的な知見を基に、実際の実務でも使えるような技術を身に付けるというところで、上級ウェブ解析士認定講座というものがございます。こちらは2日間の講義、実務、ロールプレイを行っていくことで、より実践的なコンサルティングを身に付けるということができるようになっています。
さらにウェブ解析マスターというものがありまして、こちらはウェブ解析士講座であったり、上級ウェブ解析士認定講座を開催するための講師資格を取得することができる講座となっています。
何を学ぶのか? ウェブ解析士のカリキュラム構成
続いてカリキュラムの構成についてご説明します。全体は8章に分かれています。
まず第1章ですが、ウェブ解析とは何か、その意義についてと基本的な指標について学んでいきます。
第2章ではビジネスモデルとしてどうあるべきか、またユーザーの心理状況をどう把握するかについてのフレームワークを通じて環境分析を行うことと、そこから導き出したKPIをどのように設定するかについて学んでいきます。
第3章ウェブ解析の設計ではそれらで確定したKPIについて正しく測定するための環境設計について学んでいきます。
第4章ではビジネスモデルごとにコンバージョンのあり方が変わりますので、その種類について学んでいきます。
第5章露出効果の解析では、ソーシャルメディアや広告を通じてどのように集客をしていき、それらをどのように解析するかについて学んでいきます。
第6章エンゲージメントと間接効果については、直接的なコンバージョンをゴールとするのでは無く、ユーザーとどのようなエンゲージメントを構築するか、また広告の間接効果の評価の仕方について学んでいきます。
第7章自社サイトの解析では、集客したユーザーに対してどのようにコンバージョンレートを上げていくか、といったサイト内の改善の方法について学んでいきます。
最後に第8章レポーティングでは、これらのプロモーション、活動の結果に対してどのようにレポーティングをしていくのが望ましいかについて学んでいきます。
ウェブ解析士認定試験についてもご説明します。試験は60分で60問の問題に解答いただきます。すべてインターネット経由でブラウザーを通して受験が可能でして、解答としては四択の問題を解いていただくことになります。受験の際は、公式テキストは持ち込み可となっております。また計算問題もありますので電卓の使用も可能です。ただし、スマートフォンなどの検索とかができるものは答えがわかってしまうので基本的には電卓の計算機能のみとなっております。合格後、決められたウェブ解析士レポートを提出していただくことで認定となります。
一番大事なのは合格した後の事業の成果にどう結びつけるかというところになります。合格後の事業の成果を目指して頑張っていきましょう。
次回「ウェブ解析とは?」はこちら
第1章 ウェブ解析と基本的な指標
1-1 ウェブ解析とは
1-2 ウェブ解析士に求められる3つの理解
1-3 ウェブ解析の基本的な指標
第2章 環境分析とKPI
2-1 環境分析と戦略立案
2-2 ウェブマーケティング解析
2-3 マクロ解析とミクロ解析
2-4 事業ごとの目標とKPI
2-5 事業計画の立案
第3章 ウェブ解析の設計
3-1 ウェブ解析計画の立案
3-2 広告効果測定の設計
3-3 ソーシャルメディア解析の設計
3-4 オーガニックサーチ解析の設計
3-5 アクセス解析の設計
3-6 スマートフォンアプリ解析の設計
3-7 情報精度を高めるための設計
第4章 モデルごとのコンバージョン設計
4-1 Eコマースに関わるビジネスの理解
4-2 リードジェネレーションサイトに関わるビジネスの理解
4-3 メディアに関わるビジネスの理解
4-4 サポートサイトに関わるビジネスの理解
4-5 アクティブユーザーモデルに関わるビジネスの理解
第5章 露出効果の解析
5-1 露出効果の測定方法
5-2 広告の目的と種類
5-3 広告効果改善の計画立案
5-4 メールの測定方法
5-5 ソーシャルメディアにおけるリーチ
5-6 オーガニックサーチにおける露出効果
5-7 アプリ・動画における露出効果
第6章 エンゲージメントと間接効果
6-1 エンゲージメントを軸とした行動モデルと評価指標
6-2 広告におけるエンゲージメントと間接効果
6-3 ソーシャルメディアの活用方法と指標
6-4 サーチに関するエンゲージメント
6-5 アプリにおけるエンゲージメント改善
第7章 自社サイトの解析
7-1 自社サイトの構造と計画立案
7-2 自社サイトの指標の注意点と計算指標
7-3 リファラー(参照元)の解析
7-4 インタラクション解析
7-5 ウェブサイトの最適化手法
7-6 サイト内広告に関する収益化
7-7 Googleマイビジネスの最適化
第8章 レポーティング
8-1 ウェブ解析レポートの特徴と流れ
8-2 レポート設計とロジックの組み立て方
8-3 レポートの表現方法
8-4 プレゼンテーション
8-5 ウェブ解析における統計基礎
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