ウェブ解析士 認定試験対策講座 第1回/全34回

ウェブ解析士【試験対策1】 イントロダクション 

ウェブ解析のスペシャリストとしての認定資格「ウェブ解析士」。本講座では、その試験に合格するためのポイントを、公式テキスト執筆者の寺岡幸二氏が動画で解説します。第1回イントロダクションでは、ウェブ解析士とは何か、何を学びどんなスキルを身に付けていくのかについて学びます。
再生時間:5分
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【ウェブ解析士試験対策講座1 イントロダクション(講義全文)】

 それではウェブ解析士認定講座を始めていきます。まず、イントロダクションとしてウェブ解析士の資格の構造についてお話をしていきます。最初にウェブ解析士とは何かというところの意義について演習を通じて学んでいきましょう。

 戦後まもない頃のお話です。とある行商の豆腐屋さんがいらっしゃいました。この豆腐屋さん、リヤカーを引きながら毎日ラッパを鳴らして路上で豆腐を売り歩くということを行っていたんですけれども、2つ悩みがありました。1つは売れるときはすぐ品切れになってしまいお客さんがまだいるにもかかわらずそれ以上売ることができないと。もう1つは逆に売れないときはすべて売れ残ってしまって、豆腐は足が早いので捨てるしかないという状況でした。

 これに対して豆腐屋さん、ある行動を取ることで店舗を持つまでに成長することができました。いったいどのような行動を取ったのでしょうか。皆さんお考えください。

 正解は「売りながら記録をして、記録をしながら売っていった」ということになります。

 その「日時」や「曜日」であったり「天気」「ルート」、それらに対してどれぐらいの個数が売れるのかといったものをすべてノートに記録をしていったそうです。そうすることで「今日の曜日でこの天気、この時間であればこのルートで何個ぐらい売れるだろう」という予測を立てることができるようになり、売り上げにつながっていったという事例になります。

 昨今でいうデータドリブンという言葉がありますが、データを軸としてマーケティングを行っていくというところの基本的な行動ということにはなります。また、この行動は現在の機械学習AIによる予測値であるとか、そういうところにもつながる同様の手法となっています。

 AIというと、とても難しいもののように感じることもありますが、基本的なルールとしては同じようになります。ただ このデータに対してただ量を量るものというふうに捉えてしまうとあまり意味がありません。ウェブ解析では、もう1つデータにとって重要な意味合いというものがあります。

 ではウェブ解析にとってデータとはいったいなんなのでしょうか。

 ウェブ解析におけるデータとは、ユーザーの心理かつ行動を記録するもの、というふうに定義づけられています。そのデータというものはユーザーがなんらかの感情を持って行動したことによって起こった事象を記録された数値化されたものになります。

 これらを活用していくことで「ユーザーがどのような満足度を持っているか」や、逆に「どのように不安に思っているか」といったものを把握しながら、これらを上げていくためにどういう行動を取るかといったものを提言していく、ということがウェブ解析には必要となってきます。こういった行動を繰り返すことで事業に成果をもたらすことができるというところがウェブ解析のとても大切な意義ということです。

 ということで1章から8章にわたって 公式テキストではこのウェブ解析に必要な知見や、どのようなスキルが必要かといったことが書かれていますが、今回この講座のなかでそれらについて解説をしていきます。

 では 続いてウェブ解析士認定講座の構造についてお話をしていきます。

 皆さんが今受講されているのはウェブ解析士という資格になります。解析ツールのデータを読みながら適切な判断ができるといったところをゴールとしています。現在4万人弱の方が受講されておりまして、合格率は約70%となっています。ただ、こちら未経験の方や学生の方も最近受ける傾向にありまして、合格率が若干低くはなってきていてハードルは上がっているという状況にはなっております。

 その後、実務において実際にコンサルティングができるスキルというところで上級ウェブ解析士、またウェブ解析士の指導や育成ができるスキルといったものを育むためのウェブ解析士マスターという資格もあります。興味を持たれた方はこの上の資格についてもぜひ一度ご確認ください。

 改めてですが、ウェブ解析士認定試験のゴールと本講座の進め方についてご説明をします。ゴールとしては未経験の方でも、これからウェブマーケティングに関わる方でも、テキストと講座を通じて学ぶことでその知識が証明されるといったところをゴールとしています。ですので、この講座の動画だけではなくてテキストを必ず熟読して試験に臨むようにしてください。

 この講座のなかではテキスト内の重要な点について、演習を通して解説をしていきます。また、この講座で理解度を試すということだけではなくて、自分はどこが不十分かといったところも知る機会としてご活用ください。そのうえでしっかり復習したあとで試験に臨んでください。

*このテキストは講演での発言を文字起こししたものです。理解する参考情報としてご覧ください。
<ウェブ解析士 認定試験対策講座のカリキュラム>
イントロダクション
第1章ウェブ解析と基本的な指標
1-1 ウェブ解析とは
1-2 ウェブ解析士に必要な3つの理解
1-3 ウェブの基本的な仕組み
1-4 ウェブ解析に使われる4つの視点と基本指標
1-5 新しいプラットフォーマーや経済圏の動き
1-6 マーケティング0への招待

第2章 環境分析とマーケティング解析
2-1 マーケティング・リサーチによるユーザー分析
2-2 環境分析と戦略立案
2-3 マーケティング解析
2-4 マクロ解析とミクロ解析
2-5 アジアに学ぶ日系企業のデジタルマーケティング戦略

第3章 デジタル化戦略と計画立案
3-1 MELSAモデルによるデジタル化戦略
3-2 メディアモデルのKPIと計画立案
3-3 イーコマースモデルのKPIと計画立案
3-4 リードジェネレーションモデルのKPIと計画立案
3-5 サポートモデルのKPIと計画立案
3-6 アクティブユーザーモデルのKPIと計画立案
3-7 グローバルでのイーコマース戦略

第4章 ウェブ解析の設計
4-1 ウェブ解析計画の立案
4-2 タグマネージャーによるタグの効率的な管理
4-3 広告効果測定の設計
4-4 ソーシャルメディア解析の設計
4-5 オーガニックサーチ解析の設計
4-6 アクセス解析の設計
4-7 モバイルアプリ解析
4-8 情報精度を高めるための設計
4-9 コンバージョンの設計

第5章 インプレッションの解析
5-1 インプレッション効果の測定方法
5-2 広告の目的と種類
5-3 広告におけるインプレッションの効果
5-4 メールにおけるインプレッションの効果
5-5 ソーシャルメディアにおけるインプレッション効果
5-6 オーガニックサーチにおけるインプレッション効果
5-7 モバイルアプリ・動画におけるインプレッション効果

第6章 エンゲージメントと間接効果
6-1 エンゲージメントを軸とした行動モデルと評価指標
6-2 広告におけるエンゲージメントと間接効果
6-3 ソーシャルメディアにおけるエンゲージメント
6-4 オーガニックサーチにおけるエンゲージメント
6-5 モバイルアプリにおけるエンゲージメント
6-6 動画マーケティングにおけるエンゲージメント
6-7 チャットの種類とツール

第7章 オウンドメディアの解析
7-1 オウンドメディアの解析
7-2 インタラクション解析
7-3 オウンドメディアの最適化手法
7-4 オウンドメディアでの広告収益化

第8章 ウェブ解析士のレポーティング
8-1 ウェブ解析レポートの種類と作成の流れ
8-2 レポートの設計とロジックの組み立て方
8-3 レポートの表現方法
8-4 プレゼンテーションに役立つツール
8-5 ウェブ解析における統計基礎
8-6 グローバルでのレポーティング
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第2回 ウェブ解析士【試験対策2】 ウェブ解析とは?

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このセミナーの目次

ウェブ解析士 認定試験対策講座
  • 全34回

ウェブ解析士 認定試験対策講座

ウェブ解析のスペシャリストとしての認定資格「ウェブ解析士」。本講座はその「ウェブ解析士」認定試験の対策動画講座です。カリキュラムに合わせて全34回で合格するためのポイントを、公式テキスト執筆者でもあるウェブ解析士マスターの寺岡氏が解説。データを分析し、事業に役立てるためのスキルを学びます。ウェブ解析士協会の公認講座です。(第1回はどなたでも閲覧可能です) 2021年版を5月より配信開始します。

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セミナー講師

寺岡 幸二

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