顧客の要望と社会課題を解決するMaaS(後編)

WILLERが進めているMaaS構想について、後編では「ライドヘイリング」や「自動運転」などの先進的な取り組みやその考え方を、代表取締役の村瀨茂高氏が語ります。
村瀨 茂高
WILLER 代表取締役

【顧客の要望と社会課題を解決するMaaS(後編):講演全文】

 これは昨年やったモデルで、昨年9月10月に、先ほど言ったように、まっすぐ鉄道があるところの沿線にあるところを、いろんな交通手段で結ぼうと9月10月に実証実験をやりました。今年2月3月もやりました。ここにはアプリがなくて、アナログ的なウェブサービスを一生懸命、アナログ的ではないですね、ウェブ上で動くものを一生懸命つなぎながらMaaSもどき的な実証実験をやったのがここの事例になっています。

 これを基に、今回つくったのがアプリで動くサービスになっています。名前は、もちろん1個1個検索して予約することもできますが、サブスクリプションという言い方より、パス的なものもつくっています。北海道ネイチャーパスというパスをつくっていまして、JR釧網本線の3日間乗り放題券と下にあるような路線バス乗車券を組み合わせて3日間で8900円、4日で9900円といったパスをつくっています。右側のようなモデルコースをずっと行っていただくと、実は1万3400円かかるところが、このパスでいくと9900円で行ける。こんなかたちで、今回リリースさせていただきます。

 今言った公共交通だけですと、変な言い方ですが地下鉄一日券と何が違うのみたいな話になりますが、ここに、観光MaaSということで、ここに載っているような、いろんな交通手段を取り入れています。先ほどもご紹介させていただいた左上がトヨタのi-ROADを使った小型モビリティー、こういったものを知床に置くことで、知床バスターミナルから、小型モビリティーは非常に自然と近い、アウトドア感覚を楽しみながら、これで回りながら、知床五湖に行ったり、オシンコシンの滝に行ったり、カムイワッカ湯の滝に行くようなものを自由に楽しんでいただいてもう一度、ウトロバスターミナルに戻るみたいな、もしくは鉄道の無人駅ですが、みどり池から非常に人気のある神の子池までを約15分くらいですが、このi-ROADで行っていただいて、途中で写真を撮りながら、i-ROADで行って、また戻ってくるような、こういったものが入ったりというのを入れたり、2番目がシェアバスということで、弟子屈辺りにある硫黄山、摩周湖、屈斜路湖といったところは、けっこう近いところにありますが、横断的に回る仕組みがなかったので、シェアバスみたいなものを運行させたり、同じようにレストランバスや観光タクシー、空港バス、知床をめぐる探検バス、移動のなかに鉄道の途中の駅から釧路湿原をカヌーで下る、これも立派な交通ですので、こういったカヌーも入れています。

 トレッキングは、ぐるっと戻ってしまうので、これは移動していないのですが、それから観光船と、こういったかたちで、それぞれの景色を最も楽しめる交通を、いろいろオリジナルにつくりながら最適配置をする。こんなことをやっています。これによって、実はレンタカーで回るのは便利ですが、レンタカーだけでは、回ることが体験できない、例えば小型モビリティーとか、もしくはカヌーとか、こういったことで下ることによって、その景色を最も楽しみながら体験できる、こういったことを組み合わせたサービスを入れています。ですので、最初にご紹介した公共交通という、大きな移動をするものに対して、こういったいろんな体験ができるアクティビティーを追加で足せるイメージのつくり方をしています。今のコースを順番に回ると、こんなモデルコースになっています。

 こうなると、MaaSというより旅行会社の商品のように見えますが、何を解決したかったかというと、今話だけを聞くと非常にいいのですが、行って、実際に検索すると、電車が2時間に1本しかない。路線バスは1時間に1本しかない。そういう状況ですと、実は、成し得られないので、いったんは、お客さまを集めようということで、こういうモデルコース的なものを見せることで、同じ時間帯に、同じ地域にいる人をたくさんつくろうみたいなことを、まずは第1ステップでやらなければいけないのではないかということで、空白で空いている時間を埋めるために、非常に不本意ではありますが旅行会社的な、旅行会社が悪いわけではないのですが、こういったモデルコースをいくつか、われわれのほうで提案することで同じように動く方を増やしていこうということでシェアを高めたいということを今、やっています。これが実際にわれわれのウェブサイトでも、すでに予約を始めていますが、アプリとしては7月下旬くらいから始めていこうとしている観光MaaSのわれわれの取り組みになっています。

ベトナムでのライドヘイリング

 次にベトナムのライドヘイリングです。先ほどご紹介した緑色のマイリンタクシー、全部で1万4000台お持ちで、唯一、ベトナム全省に営業されている会社さんになります。

 ここに今、われわれがアプリを導入してタクシー配車ができる状態にしています。大きな特徴はないのですが、ちょっとした特徴でいいますと、今回日本で7月に出すアプリを使って、日本語のままで、同じUIで、ベトナムでタクシーが呼べるようになっています。

 もちろん、これはその逆も可です。ということで、日本語、ベトナム語、英語みたいなかたちで予約が可能になっています。今回、マイリン社さんという会社が非常に規模感が大きくて、ベトナムの約30%くらいのシェアをお持ちなので、そういう面では、この1社でやることによって、どんなタクシーが来るか分からないという、品質や安全、今後は生活サービスみたいなサービスも含めて1社でやっていただいているので、そういったことの、伝達という言い方がいいのか、教育という言葉がいいのか分かりませんが、これが非常にしやすいと思っていて、そういう面では、1社でやっている強みを生かして、新しいサービスをいろいろチャレンジを、ベトナム全土に広げるみたいなことがやりやすいのかなと思っています。

 2つ目も同じことですが、生活サービスということで、代わりに出張の方には朝、クリーニングに届けておいて、帰るとき、迎えに行ったら、クリーニングは渡してあげるとか、いろんなサービスも、同じ会社で1社なので、管理という言葉がいいか分かりませんが、非常にしっかり管理されている会社ですので、こういったことも何かでき始めるのではないかと思っています。実際には9月末までにベトナム北部、南部を合わせて5000台のタクシーに1個ずつ、今タブレットを付けていて、9月までに5000台を終了して、同時に運転手さんへの教育をしていくというのを今、順次進めています。7月からは、このマイリン社さんの利用されているお客さまの基盤を使いながら、一般の乗務員さんも入れるライドヘイリングも併せて展開を始めていこうと今、考えています。ですので、これは本当にこれからチャレンジというところをやっていくところになっています。

第3回
顧客の要望と社会課題を解決するMaaS(前編)

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このセミナーの目次

モビリティー革命を起こす WILLERの挑戦
全4回
ASEANや日本での自動運転やライドシェアサービスなど、次世代を意識したモビリティーサービスの進化に挑戦しているWILLER。北海道での「観光MaaS」や京都丹後鉄道の「生活MaaS」などの同社の取り組み事例を交えながら、MaaSで世の中がどう変わるのか、日本で根付かせるにはどうすればよいのかについて、代表取締役の村瀨茂高氏が解説します。
北海道「観光MaaS」と京都丹後鉄道「生活MaaS」(前編)
  • 第1回
  • 2019.05.28
北海道「観光MaaS」と京都丹後鉄道「生活MaaS」(前編)
北海道「観光MaaS」と京都丹後鉄道「生活MaaS」(後編)
  • 第2回
  • 2019.05.31
北海道「観光MaaS」と京都丹後鉄道「生活MaaS」(後編)
顧客の要望と社会課題を解決するMaaS(前編)
  • 第3回
  • 2019.08.23
顧客の要望と社会課題を解決するMaaS(前編)
顧客の要望と社会課題を解決するMaaS(後編)
  • 第4回
  • 2019.09.06
顧客の要望と社会課題を解決するMaaS(後編)

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