気温が下がり、パンの需要が高まる10月。パンコーナーではコッペパンとコロネが幅を利かせている。商品をシリーズ化し、並べて陳列することでジャンル全体を強化。商品を「点」ではなく「面」で見せ、消費者に強くアピールする戦略に踏み切っている。

今回、まず向かったのはパンが並ぶ棚だ。2017年から発売している「ファミマのコッペパン」シリーズが好評で、「コッペパン(ダブルピーナッツ)」(税込み130円)、「コッペパン(つぶあん&マーガリン)」(税込み128円)をはじめ数種類が並ぶ。18年10月からは「ファミマのコロネ」シリーズも発売した。

「メロンクリームコロネ」(税込み145円)、「チョコホイップのデニッシュコロネ」(税込み135円)といった進化系コロネが続々と登場。同ジャンルの商品をカテゴリごとに1列に並べる陳列の工夫に加え、進化系コロネのビジュアルがSNSで話題となったこともあり、若年層のファンの獲得にも寄与しているという。
このように、シリーズ商品を「面」で展開することで、来店者に強くアピールしたことが功を奏しているようだ。

香取慎吾氏のCM効果も?「お母さん食堂」が躍進中
次に向かった惣菜コーナーでは、「お母さん食堂」の惣菜シリーズの売り上げが堅調だ。

特に「具だくさんビーフカレー」(税込み398円)、「チーズインハンバーグ」(税込み135円)をはじめ、自宅で調理するには時間と手間がかかる商品は夕食のメイン料理としても定番人気を誇る。「銀鮭の塩焼き」(税込み298円)、「さばの塩焼き1切れ」(税込み278円)などの焼き魚も、「調理時の匂いが出ない」「魚用グリルなどを洗う手間が省ける」といった理由から売れ行き好調だ。つまみとしての需要が増えたこともあり、惣菜全体の売り上げが底上げされているという。

「母さん食堂」シリーズのテレビCMでは、イメージキャラクターに香取慎吾を起用。「CMなどに登場する香取さんのファン層に合致した40代を中心とする女性が、惣菜として購入して帰るケースが増えた」(ファミリーマート)という。