アクセンチュアは2023年4月、最新の年次リポート「アクセンチュア ライフ トレンド2023」を発表。ライフ トレンド2023では、ビジネス、文化、社会を形成する人々のグローバル規模での行動変化を5つのトレンドで解説している。
アクセンチュア ライフ トレンド2023は、過去15年にわたって生活者の視点から社会やビジネスのトレンドをまとめてきた年次リポート「フィヨルドトレンド」を継承したもの。アクセンチュア ソングに所属するデザイナーやクリエイター、技術者、社会学者、人類学者が世界中から洞察や知見を持ち寄って作成された。
「数年にわたって続いた世界的に不安定な状況は、人と企業の関係にも大きな変化をもたらした。グローバル規模での人々の行動変化はまったく新しい事業環境を生み出している。企業や経営陣はその変化に合わせてビジネスモデルを変換する必要がある」と同リポートでは提言する。
行動変化のトレンドとは、「不安定な社会環境に適応する生活者たち」「コミュニティの力から生まれるブランドの未来」「かつての姿ではないワークスタイルのあり方」「AI(人工知能)と共に歩むクリエイティビティ」「デジタルウォレットと私のデータの行方」の5つ。
生活者が長期にわたる不安定な状態に適応するために示した反応は人々が購買するものやサービスだけでなく、ブランドや企業に対する印象にも影響を与えるため、企業はこれらの変化に備えなければならない。
不安定な世の中では、人々は自らの居場所をより積極的に求め、オンラインコミュニティーなどの新しいコミュニティーを求めている。現代のブランドもコミュニティーファーストで構築されるようになり、ブランドに対するロイヤルティーや関わり方が再構築される。
また、新しいワークスタイルが広がることにより、オフィス勤務で無意識のうちに受けていた恩恵が喪失されたと多くの人が感じている。業務に直接関係のない会話や、後輩を間近でサポートすることなど、目に見えない恩恵が失われ、直接会うことができなければ、企業は社員へのメンタリング、変革、文化、多様性の受容などを失いかねない。経営層は新しい発想で互いに有益な計画を立てる必要がある。
さらに、AIが身近になって創作活動の新しいツールになりつつあり、努力やスキルが十分になくても、先端テクノロジーを使った創造性を発揮できる時代が到来。企業は、AIが生成したコンテンツがあふれる中でどのように差異化するか、また革新のスピードと独自性を高めるためにAIをどう活用するかについて検討する必要がある。
個人情報の扱いは変革の時を迎え、間もなく人々は個人情報を自身でコントロールできるようになるかもしれない。デジタルウォレットによって、人々はどの個人情報を企業へ共有するか、また販売するかを判断できるようになる。これは、ブランドにとって大きな利点となる。人々が自発的に提供するデータは、第三者データよりもより高い価値を持つからだ。
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