艶やかな着彩で色数も豊富。プロのイラストレーターや漫画家からの支持も厚いアルコールマーカーの「コピック」。商品の独自性が際立つホビー市場に目を向け、さまざまなイベントへのブース出展を続けている。

アルコールマーカー「コピック」は今、釣りなどにも活用範囲を広げようとしている
アルコールマーカー「コピック」は今、釣りなどにも活用範囲を広げようとしている

世界70カ国以上で販売の日本製マーカー

 コピックは、1919(大正8)年に「いづみや画材専門店」として創業したToo(東京・港)が開発し、関連会社のG-Too(東京・目黒)が販売するアルコールマーカーのブランドだ。

 87年に生まれ、2022年に35周年を迎えた。358色という色数の多さと重ね塗りによる濃淡の調整、複数色の混色ができる活用度の高さで、イラストレーターや漫画家、デザイナーなど、プロ・アマ問わず高い評価を受けている。現在は70カ国以上で販売され、カラーマーカーの世界的な定番商品へと成長を遂げた。

コピックは358色とカラーが豊富で、イラストレーターや漫画家、デザイナーにはおなじみの商品
コピックは358色とカラーが豊富で、イラストレーターや漫画家、デザイナーにはおなじみの商品

 このコピックが近年注目しているのが、プラモデルや模型作り、釣りのルアー作りといったホビー分野だ。22年4月に東京ビッグサイト(東京・江東)で開催された「第46回 2022日本ホビーショー」や、23年1月にパシフィコ横浜(横浜市)で開催された「釣りフェスティバル 2023」にブースを出展。他のカラーマーカーにはない商品の独自性をアピールした。

パシフィコ横浜で開催された釣りフェスティバル2023のコピックブース。小ぶりなブースながら、釣り雑誌などでおなじみのイラストレーター・時川真一氏のイラストや、エアブラシのお試しコーナー、ルアーやフライの彩色サンプルなどを展示した
パシフィコ横浜で開催された釣りフェスティバル2023のコピックブース。小ぶりなブースながら、釣り雑誌などでおなじみのイラストレーター・時川真一氏のイラストや、エアブラシのお試しコーナー、ルアーやフライの彩色サンプルなどを展示した

エアブラシとして使えるのがホビー向き

 その独自性の最たる部分が、カラーマーカーでありながらエアブラシとしても使えるという点だ。コピックは空気圧によってペン先からインクを噴霧する「COPIC AIRBRUSHING SYSTEM(ABS)」という専用オプションを用意している。

「COPIC AIRBRUSHING SYSTEM(ABS)」は空気圧でペン先からインクを噴霧することでエアブラシと同等の機能を持たせた
「COPIC AIRBRUSHING SYSTEM(ABS)」は空気圧でペン先からインクを噴霧することでエアブラシと同等の機能を持たせた

 ABSで使用するのは、コピックの中でも「コピッククラシック」「コピックスケッチ」というシリーズ。一般的なエアブラシでは、タンクに入れた液体塗料をスプレーノズルから空気圧で噴霧するが、ABSは、グリップ部分にカラーマーカーを装着し、そのペン先に空気を当ててマーカーのインクを飛ばす点が大きく異なる。

 ABSは一般的なコンプレッサーに接続しても使えるが、コピックならではと言えるのが専用のスプレー缶を用意していること。グリップにスプレー缶を差し込むだけで使えるため、道具立てが簡単で、エアブラシのような使用後のメンテナンスも不要だ。この手軽さこそが、ABSの利点と言っていい。

 こうしたツールは従来、イラストの彩色に使われてきたが、その用途やユーザー層を拡大しようというのが現在のTooおよびG-Tooの試みだ。

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