東京都が主催し、公益財団法人日本デザイン振興会(東京・港)が企画・運営する「2022年度東京ビジネスデザインアワード」は2023年2月9日、最優秀賞として電子機器製造のケイ・ピー・ディ(東京・葛飾)と、田村匡將氏、元木龍也氏、高橋窓太郎氏、本杉一磨氏の4人からなるデザインユニット「デデデ」(東京・文京)による、「プリント基板の新しい使い方を提案するサウンドプロダクト」を選出した。
東京ビジネスデザインアワードは、都内の中小企業活性化策として、企業が持つ技術や素材などをテーマに、優れた課題解決力と提案力を併せ持つデザイナーから新規用途開発とビジネス全体のデザイン提案を募集し、両社をマッチングして製品・サービスの実現化を目指すコンペティションだ。2012年にスタートし、22年度は11回目となる。
今回、中小企業から応募のあったテーマのうち10件を選択してデザイン提案を受け付けたところ、テーマと提案のマッチングが成立しなかった1件を除く、9件のテーマに対するデザイン提案の中から、22年11月に6人の審査委員会による一次審査、テーマ選定企業を交えた二次審査を経て、それぞれ優秀なデザイン提案を「テーマ賞」とした。そして23年2月9日に提案最終審査会を開催し、テーマ賞を獲得した9組のデザイナーによるプレゼンテーションと試作品による審査を実施。デザイン性や実現可能性、ビジネスプランの完成度などから、最優秀賞1件と優秀賞2件を決定した。
モノの見方をデザインの視点で転換
最優秀賞となった「プリント基板の新しい使い方を提案するサウンドプロダクト」は、ケイ・ピー・ディが応募したテーマ「ハンダ付け不要の基板ジョイント導通技術」に対するもの。この技術は、プリント基板同士をハンダ付けせずに接合でき、なおかつ接合部分を越えて電気を導通させられるので、さまざまな用途での利用が考えられる。
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