新型コロナウイルス禍の3年間で、生活者のお金の使い道はどう変わったか? 生活者の消費動向や生活意識の変化を3カ月おきに1万人規模で定点調査し、世代やライフステージ別に分析できる「ライフセグメント定点調査」をマクロミルの子会社が公開した。マーケターにとって貴重な情報ソースになりそうだ。

新型コロナ禍3年間消費動向、意識の変化がわかる
新型コロナウイルス禍3年間の消費動向、意識の変化が分かる(画像/「ライフセグメント定点調査」のサイトから)

 マクロミルの子会社でマーケティングに特化したコンサルティング事業を展開するエイトハンドレッド(東京・港)は2023年3月15日、生活者1万人の消費動向やライフスタイルを3カ月おきに調査する「ライフセグメント定点調査」3年分のデータを公開した。従来型の性・年代別ではなくX・Y・Z世代といった世代軸や、末子の年齢別などライフセグメント軸で分析、ダウンロードできるのが特徴だ。利用は無料。

 調査項目は、「身の回りの景気判断」「生活満足度」「消費価値」といった『生活マインド』や、「1カ月の個人消費金額」「個人消費金額の使い道」「個人消費金額の決済手段シェア」「今後、積極的にお金を使いたい領域」などの『消費傾向』、そして「買い物意識」「消費・生活意識」「理想の生活スタイル」「ネット普及・進化のプラスの影響」「直近1年のライフイベント」などの『生活スタイル』と、3カテゴリー計16項目に上る。

 これらの項目を全体平均のほか、「ベビーブーマー世代(1953~63年生まれ)」「X世代(1964~80年生まれ)」「Y世代(1981~94年生まれ)」「Z世代(1995~2010年生まれ)」の世代軸、「独身」「既婚子なし」「末子が未就学児」「末子が小学生」「末子が中高生」「末子が大学生以上」「シニア(65歳以上)」のライフステージ軸でクロス集計もできる。

 同サービスを開発したエイトハンドレッド プリンシパルの渋谷智之氏は「企業が手掛けるリサーチは、自社商品・サービスに関連するミクロな領域の調査に偏りがちで、生活者トレンドの変化を捉えるようなマクロ視点の調査は手掛けにくい。『ライフセグメント定点調査』を活用すれば、生活者の消費行動、意識変化の全体的な傾向把握のみならず、世代や子供(末子)の年齢といったセグメントによって二極化しているといった違い、実態が見えてくる。マーケティング施策の立案に役立ててほしい」と語る。

 もう1人の開発者である同社シニアマネジャーの村岡洋輔氏は、「19年に構想、準備に着手し、第1回の調査を実施したのが新型コロナウイルス感染拡大直前の20年1月。以降3カ月おきに1万人規模の定点調査を実施し、全12回・3年分の調査データを蓄積したことで公開に踏み切った。偶然にも新型コロナ禍の3年間となり、この間の消費行動、生活意識の変化を見て取ることができる」とアピールする。

 実際に操作をして把握できる消費行動、生活意識の変化を見ていこう。

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