アーティストやクリエイターが、SNS(交流サイト)投稿によるプロモーション貢献度に応じて、音楽著作権などの印税(ロイヤリティー)をファンとシェアできる新サービスが始まる。NFT(非代替性トークン)事業などを手掛けるロイヤリティバンク(東京・千代田)が2023年4月中旬にも開始する。同社は、ロイヤルティーをファンや投資家向けに販売できる取引所を運営しているが、貢献に応じてロイヤルティーをシェアできる新サービスで、アーティストの人気拡大を支援する。
サービス名は「QREWZ(クルーズ)」。音楽著作権等の権利を持っているアーティスト(作家)や音楽出版社、レコード会社などが、印税の一部を受け取れる権利をファンなどと共有できる。作品のロイヤルティーをシェアできるようにし、作品のプロモーションへの貢献割合に応じて、ロイヤルティーを分配する。
例えば、アーティストが作品ロイヤルティー全体の60%を受け取るが、残りの40%は貢献してくれた人たちに分配するといった設定ができる。SNSにファンアートを投稿してくれた人に5%、振り付けをつくってバズらせてくれた人に5%を分配するといった具合に細かく設定できるのが特徴だ。
貢献度は「大きく3つの指標によって計算する仕組み」とロイヤリティバンク執行役員CPO(最高製品責任者)事業統括担当 事業統括部の山本暁大氏は説明する。1つは「影響力」。その投稿が何人に見られ、何人から高評価をもらい、何人がリツイートなどで共有したか。もう1つは「先見性・継続性」。どれだけ早い段階で貢献したか、長く貢献行動を続けているかを評価する。3つ目は「創造性」。貢献を認定するクリエイターが、実際に投稿された二次創作物を確認して評価をするという。
「QUESTRY」というシステムを利用して、ブロックチェーン(分散台帳)上に可視化した貢献行動を記録して、それを証明するNFTを発行する仕組み。「一般的なNFTと違い、他人に譲渡できないため、当人が貢献したことの証しにできる」と山本氏。「投機的な関心による過熱も避けられる」と言う。
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