デザインコンサルティングのロフトワーク(東京・渋谷)は、「トランジションデザイン」のアプローチを用いて、持続可能な社会と事業創出を目指し、次世代型のリーダーを育成する人材教育プログラム「Transition Leaders Program」を開発、2023年1月から実施している。経済産業省令和4年度「大企業等人材による新規事業創造促進事業(創造性リカレント教育を通じた新規事業創造促進事業)」の採択事業の一環として行われている。

「Transition Leaders Program」1日目の講義の様子
「Transition Leaders Program」1日目の講義の様子

 参加費は無料。募集前には「Transition Leaders Program説明会&トークセッション」を開催し、トランジションデザインの提唱者の1人であり、現在シドニー工科大学のデザイン研究教授を務めているキャメロン・トンキンワイズ氏が参加。経済産業省で高度デザイン人材の育成に取り組んだ菊地拓哉氏と、1日目の講師も担当しているJPモルガン・チェース銀行のデザイン・フューチャリストの岩渕正樹氏も登壇した。

 「Transition Leaders Program」には、25人の定員に対して約3倍の申し込みがあったという。応募者の内訳は、大手企業から約6割、中小企業から約3割、行政やベンチャー企業から1割。業種は、製造業、化学工業、金融業、輸送業、IT業、建設業、印刷業、食品業など多岐にわたる。新規事業創出の実務者を中心に選考し、参加枠を広げて30人が受講している。

 ロフトワーク クリエイティブディレクターの古田希生氏は、「質疑応答は時間が足りなくなるほど積極的に取り組まれている。プロジェクトで立ち上げたSlackでは、講師に質問を送ることもできるようにした。情報共有も活発に行われている」と言う。同・シニアディレクターの伊藤望氏は「このプログラムが日本におけるトランジションデザインの普及が進んでいく始まりになると思う。僕らもその意気込みで取り組んでいる」と話す。

「Transition Leaders Program」は東京・渋谷にあるロフトワークのオフィス内で行っている。共創型のプロジェクトを実践している「ヒダクマ」へのフィールドワークも1泊2日で予定している
「Transition Leaders Program」は東京・渋谷にあるロフトワークのオフィス内で行っている。共創型のプロジェクトを実践している「ヒダクマ」へのフィールドワークも1泊2日で予定している
「Transition Leaders Program」は東京・渋谷にあるロフトワークのオフィス内で行っている。共創型のプロジェクトを実践している「ヒダクマ」へのフィールドワークも1泊2日で予定している
「Transition Leaders Program」は東京・渋谷にあるロフトワークのオフィス内で行っている。共創型のプロジェクトを実践している「ヒダクマ」へのフィールドワークも1泊2日で予定している
「Transition Leaders Program」は東京・渋谷にあるロフトワークのオフィス内で行っている。共創型のプロジェクトを実践している「ヒダクマ」へのフィールドワークも1泊2日で予定している
「Transition Leaders Program」は東京・渋谷にあるロフトワークのオフィス内で行っている。共創型のプロジェクトを実践している「ヒダクマ」へのフィールドワークも1泊2日で予定している
2日目の講義とワークショップの様子。ワークショップでは、解くべき問題を定めた後、複雑な社会課題のエコシステムでどんな小さい課題が起きていて、どんなステークホルダーが存在し、その関係性はどうなっているかも整理していった。ワークショップの企画・進行はロフトワークチームが担当。水野氏(写真左・中)は作業中にアドバイスをし、最後の講評なども行った
2日目の講義とワークショップの様子。ワークショップでは、解くべき問題を定めた後、複雑な社会課題のエコシステムでどんな小さい課題が起きていて、どんなステークホルダーが存在し、その関係性はどうなっているかも整理していった。ワークショップの企画・進行はロフトワークチームが担当。水野氏(写真左・中)は作業中にアドバイスをし、最後の講評なども行った
2日目の講義とワークショップの様子。ワークショップでは、解くべき問題を定めた後、複雑な社会課題のエコシステムでどんな小さい課題が起きていて、どんなステークホルダーが存在し、その関係性はどうなっているかも整理していった。ワークショップの企画・進行はロフトワークチームが担当。水野氏(写真左・中)は作業中にアドバイスをし、最後の講評なども行った
2日目の講義とワークショップの様子。ワークショップでは、解くべき問題を定めた後、複雑な社会課題のエコシステムでどんな小さい課題が起きていて、どんなステークホルダーが存在し、その関係性はどうなっているかも整理していった。ワークショップの企画・進行はロフトワークチームが担当。水野氏(写真左・中)は作業中にアドバイスをし、最後の講評なども行った
2日目の講義とワークショップの様子。ワークショップでは、解くべき問題を定めた後、複雑な社会課題のエコシステムでどんな小さい課題が起きていて、どんなステークホルダーが存在し、その関係性はどうなっているかも整理していった。ワークショップの企画・進行はロフトワークチームが担当。水野氏(写真左・中)は作業中にアドバイスをし、最後の講評なども行った
2日目の講義とワークショップの様子。ワークショップでは、解くべき問題を定めた後、複雑な社会課題のエコシステムでどんな小さい課題が起きていて、どんなステークホルダーが存在し、その関係性はどうなっているかも整理していった。ワークショップの企画・進行はロフトワークチームが担当。水野氏(写真左・中)は作業中にアドバイスをし、最後の講評なども行った
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社会課題の本質と向き合う

 トランジションデザインとは、2012年に米カーネギーメロン大学の研究者たちが提唱した、地球規模の複雑な課題に対処するためのデザイン理論のこと。21世紀は20世紀のイノベーションのツケが回ってきているような状況で、どんなにテクノロジーが発達しても貧困問題はなくならず、国連によるSDGs(持続可能な開発目標)も30年までに達成できるのか不確かだ。企業が生活者により良いものを提供するために生産しているものが、実際には環境にダメージを与えることも珍しくない。

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