国立新美術館(東京・港)が開催した「DESIGN MUSEUM JAPAN展 集めてつなごう 日本のデザイン」(以下、DESIGN MUSEUM JAPAN展)では、日本放送協会(以下、NHK)が著名クリエイター13人と一緒に番組内のプロジェクト内で探して見つけた「日本各地に点在する、素晴らしい〈デザインの宝物〉」を紹介。多くの来場者でにぎわった。
NHKでは2020年1月から「デザインミュージアムをデザインする」という教育番組を制作。全国47都道府県にある同局のネットワークを活用し、世界の第一線で活躍するあらゆるジャンルのクリエイターと共に「世界がまだ気づいていない、豊かな物語を持つ〈デザイン〉」を求めて各地の館や組織を訪ねた。
22年11月30日~12月19日に開催した「DESIGN MUSEUM JAPAN展」では、そうして見つけた「雪国の暮らしを支えた山形の緞通(だんつう)」「新潟・佐渡の船大工が暮らした町並み」などの13地域の〈デザインの宝物〉を展示。館や組織のネットワークの集合体を〈デザインネットワーク〉と名付けた。「日本全体が〈デザインミュージアム〉になればよい」と提案している。
番組はそれぞれの地域で放送・展示を行い、22年11月30日~12月19日に国立新美術館で実施された東京展では、それまで展示された分を合わせて13地域の〈デザインの宝物〉が披露された。
東京展の主催はNHKと国立新美術館で、協力は一般社団法人Design-DESIGN MUSEUM。開催に先駆け、22年11月30日には館内で開会式典が行われた。NHK展開センターの事業主幹の田中良憲氏は、「日本人は用の中の美、つまり生活の中での美を大切にして古くから伝えてきた。日本人は常に新しいデザインを、機能性を研ぎ澄ますことで受け継いできた歴史があると思っている」と意気込んだ。23年春以降は、海外3地域(ブラジルのサンパウロ、米ロサンゼルス、英ロンドン)にあるジャパン・ハウスでの巡回も予定している。
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