ロフト(東京・渋谷)は、サステナブル(持続可能)な商品を重点的にそろえた企画「サステナブルビューティー&ライフ」を2023年1月10日から3月3日まで、全国のロフト及びネットストアで開催。1607種類の商品を取り扱うほか、店頭でのリサイクル回収プログラムも拡大展開する。

「サステナブルビューティー&ライフ」は、2023年1月10日から3月3日まで開催。22年はリサイクル、マテリアル、ウェルネスの3つの視点で1194商品を取り扱ったが、23年はさらにセービング、メンテナンス、アップサイクルとカテゴリーを3つ増やし、6カテゴリー1607種類の商品と大幅に取扱商品を増やした
「サステナブルビューティー&ライフ」は、2023年1月10日から3月3日まで開催。22年はリサイクル、マテリアル、ウェルネスの3つのカテゴリーで25の売り場に1197種類の商品を取り扱ったが、23年はさらにセービング、メンテナンス、アップサイクルとカテゴリーを3つ増やし、40の売り場に6カテゴリー1607種類の商品と大幅に取扱商品を増やした

 ロフトでは環境配慮をテーマの一つに掲げ、2017年に次世代型旗艦店として銀座ロフトをオープン。当初からキッチンスポンジの回収を行ったり、オーガニック製品をそろえたりなど、サステナブルを意識した取り組みを行い、他店に波及させていった経緯がある。しかし、「社員の意識を高めないことには品ぞろえに反映されないし、積極的な販売もできない」(ロフト広報室長の池田晶子氏)と、21年から全社員の意識改革も目的として「ロフト グリーンプロジェクト」を立ち上げた。

 今ではロフト全店舗での化粧品容器回収をはじめ、キッチンスポンジ、繊維製品(6店舗)、ペンなど(45店舗)の回収ボックスを設置している。ロフトで購入していない商品の回収も受け入れており、「回収ボックスを常に目にする場所に設置することで自然と定着し、回収量は年々増えている。顧客と常に接点を持っているのが小売業であり、販売責任もある。意識を投げかけることも責任の一つ」(池田氏)という。

メーカーと組んだり、ロフト独自のものだったりと、さまざまな種類の回収ボックスを店頭に設置している
メーカーと組んだり、ロフト独自のものだったりと、さまざまな種類の回収ボックスを店頭に設置している

 また、「環境に良いものはコストが高くてなかなか売れないといわれてきたが、今は価格も抑えられ、提案しやすくなっている。カテゴリーを増やさないと収まりきらないほど商材が増えた」と池田氏は市場の拡大を実感している。中でも今回の「サステナブルビューティー&ライフ」でそろえている商品は、一歩先を行く。

 冠婚葬祭で使用された廃棄キャンドルを使用して作られたアロマキャンドル「Rotch(ロッチ)」は、「ろうそく」と「マッチ」を掛け合わせたアップサイクル商品。ろうそくの先端がマッチ棒の頭(頭薬)の素材になっており、マッチのように箱の側面(側薬)に擦り付けると火がつけられる。「冠婚葬祭で使うろうそくは使い回しができず、今まで捨てるしかなかった。それをアロマキャンドルに生まれ変わらせた」というのは、アップサイクル商品の企画や開発、販売を行うリクラ(金沢市)の西河誠人社長。ろうそくをマッチのように着火できる発想とパッケージのかわいさがTikTokで10~20代を中心に受けているという。

「Rotch(ロッチ)」(リクラ、8本入り880円、税込み、以下同)。燃焼時間は1本約30分。香りはラベンダー、カモミール、オレンジの3種類。23年2月にキンモクセイも発売予定
「Rotch(ロッチ)」(リクラ、8本入り880円、税込み、以下同)。燃焼時間は1本約30分。香りはラベンダー、カモミール、オレンジの3種類。23年2月にキンモクセイも発売予定

 伝統工芸にもサステナブルの波は押し寄せている。400年の歴史を持つ長崎県の波佐見焼で作られたセラミック製コーヒーフィルター「cofil(コフィル)」は、長崎県窯業技術センターと燦(さん)セラ(いずれも長崎県波佐見町)が共同開発した。ペーパーフィルター不要で、目詰まりをしても、重曹を入れて煮沸をすれば元通り。割れない限り、半永久的に使用できる。コフィルでいれたコーヒーの表面にはうっすらと油分が浮いており、雑味を感じないまろやかな味わいだ。

富士山をかたどった「COFIL fuji(コフィル富士)」5478円、白いシンプルなデザインの「COFIL two-tone(コフィルツートン)」4378円(ともに燦セラ)
富士山をかたどった「COFIL fuji(コフィル富士)」5478円、白いシンプルなデザインの「COFIL two-tone(コフィルツートン)」4378円(ともに燦セラ)

 佐賀県で200年以上続く有田焼の老舗窯元・弥左ヱ門窯(佐賀県有田町)が立ち上げたアリタポーセリンラボは、陶土に釉薬(ゆうやく)を練り込んだ新陶土「天白」を開発。これにより、素焼き、釉薬掛けをせずに本窯に入れられるようになり、生産工程を省力化することで温暖化ガス排出量を約50%削減させたという。さらに、「有田焼はハレの日に使う食器のイメージが強く、若い人が使うにはハードルが高かった。しかし、土に釉薬を入れることでシャープな成形ができるようになり、日常使いできるシンプルさと洗練されたデザインを手ごろな価格で実現できた」(アリタポーセリンラボ ブランディングディレクターの久保河内さなえ氏)という。

「apl(エーピーエル)」シリーズの「rice bowl」(1320円)、「plate S」(1320円)、「plate M」(2200円)、「plate L」(2750円)(いずれもアリタポーセリンラボ)
「apl(エーピーエル)」シリーズの「rice bowl」(1320円)、「plate S」(1320円)、「plate M」(2200円)、「plate L」(2750円)(いずれもアリタポーセリンラボ)
有料会員になると全記事をお読みいただけるのはもちろん
  • ①2000以上の先進事例を探せるデータベース
  • ②未来の出来事を把握し消費を予測「未来消費カレンダー」
  • ③日経トレンディ、日経デザイン最新号もデジタルで読める
  • ④スキルアップに役立つ最新動画セミナー
ほか、使えるサービスが盛りだくさんです。<有料会員の詳細はこちら>
4
この記事をいいね!する