ロフト(東京・渋谷)が「ロフト ベストコスメ2022」として、今期の売れ筋から選出した「ロフト ベストコスメ」と、バイヤーが次のトレンドとして注目する「ロフト ネクストコスメ」など全100種類を選出した。ネクストコスメは「時短かつ高機能」「気分のアガるもの」など、プラスアルファが光る商品が並ぶ。
「時短プラス高機能」が人気に
新型コロナウイルス禍が長引く中、「相変わらずアイメーク重視で、その傾向にリンクした商品が増えている。また、寝ているときにケアできるものも根強い人気。単に時短というだけではなく、そこに高機能がプラスされたものが売れている」というのはロフト広報室長の池田晶子氏。
例えば、世界で1秒に1個売れているというフランスのスキンケアブランド「ビオデルマ」の低刺激拭き取りクレンジング水「ビオデルマ サンシビオ エイチツーオーD」からは、しっかりしたアイメークも簡単に落とせるポイントメークリムーバー「ビオデルマ サンシビオ エイチツーオー アイ」が2022年11月に日本初上陸した。「コロナ禍でアイメークがしっかりめになっていることに加え、白マスクによる紫外線の反射光、いわゆるマスク反射など、コロナ禍前に比べて目元は酷使されている」と、同ブランドを扱うNAOS JAPANビオテルマ事業部の中野有規氏。
「目の周りを強くこするのはNG」というのはスキンケアの鉄則。クレンジング水同様、敏感肌にも優しい低刺激処方の拭き取り式で、W洗顔が不要。コットンに含ませたリムーバーを目の上で静かに抑え、しっかりしたメークもそっとなでるだけで落ちる。近年は口紅も、マスクに色移りしない、唇を染めるタイプのティントリップがはやっており、需要にマッチしている。
時短コスメブランドとして人気の「サボリーノ」も、進化を遂げた。
「サボリーノ」は「サボってもキレイでいられる」をコンセプトに、朝用や夜用のマスクを60秒パックするだけで、スキンケアすべてを終えられる手軽さが受け、働く女性を中心に人気を博してきた。そこに22年4月、医薬部外品として「サボリーノ薬用ひたっとマスク」シリーズが登場。さらに11月にはシワ改善・高保湿処方の「サボリーノ薬用ひたっとマスクWR」が発売された。
「従来のサボリーノはさっぱり、しっとりといった使用感や香り、限定フレーバーなどで選ばれていた。しかし、今は成分で選ぶのがトレンド。効果や機能がしっかり分かるものが売れる」と、サボリーノを手掛けるスタイリングライフ・ホールディングスBCLカンパニー マーケティング本部宣伝販促部プロモーション室兼ブランド戦略部ブランディング室の赤城俊介氏は言う。
特にサボリーノ薬用ひたっとマスクWRは、パッケージに表記されている成分「ナイアシンアミド」が購入者に響いているそうだ。「購入者は従来のユーザーより5歳くらい若い印象」(赤城氏)。エイジング商品にもかかわらず若い層に受けているのは意外だが、ロフトの池田氏によると、「最近は若い層が早めにエイジングケアを始めている」という。従来品が32枚入りなのに対して10枚入りと少ないが、「少しずついろいろなものを試せることもトレンド。大容量より個包装が好まれ、より質で選ばれている」(赤城氏)。
日経トレンディ「2022年ヒット商品ベスト30」 ▼関連記事:寝ながらヘアケア「YOLU」が1000万本 効率重視派に刺さる で19位にランクインした、寝ながらヘアケアできる「YOLU(ヨル)」からは、10秒で浸透するトリートメント「YOLU カーム ナイトリペア ジェルヘアマスク」が選ばれている。
夜間美容を打ち出した「YOLU」のシャンプーは効率を重視したい人たちなどに受け、発売から約1年で累計約1000万個を販売したヒット商品。同シリーズのヘアマスクは10秒で洗い流せ、夜間の摩擦や乾燥によるダメージを防ぐ。一般的な洗い流しタイプのヘアマスクは、5分程度かけて浸透させてから洗い流すものが多いが、この商品は髪に浸透しやすい成分を配合することで10秒という常識を覆す時短を実現したという。
そして、22年8~10月にかけて、ロフトのヘアケア用品で最も売れているのが、泡立たないオールインワンシャンプー「coconeクレイクリームシャンプー」だ。これ1本で、シャンプー、コンディショナー、頭皮ケア、ヘアカラーケア、トリートメント、ヘアパックの6役をこなす。
普通のシャンプーと同様に湯で洗った後、適量を髪になじませ、頭皮と髪を洗って3分放置し、流せば完了。使い心地としては、クリーム状のトリートメントで頭皮や髪を洗っている感覚だが、通常はトリートメントを地肌に付けないため、頭皮をマッサージしながらトリートメントできるのが新鮮。きちんとケアしながら一気に終わらせることができる。
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