もうすぐ終わる2022年はデザイン業界にとってどんな1年だったのかを、日経デザイン誌に掲載した主なトピックなどから振り返ってみた。そして23年はデザイン業界にとって、どんな1年になりそうかを占ってみよう。

2022年は「ミラノサローネ国際家具見本市(ミラノサローネ)」が開催され、大いに盛り上がった
2022年は「ミラノサローネ国際家具見本市(ミラノサローネ)」が開催され、大いに盛り上がった

 デザイン業界にとって、最も話題となったトピックの1つは、2022年6月に世界でも有数の展示会「ミラノサローネ国際家具見本市(ミラノサローネ)」が開催されたことだろう。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、前回の21年は小規模な展示会にとどまった。ミラノサローネが60周年を迎えた22年、開催時期を4月から延期したものの、それでも1575社が出展。173カ国から26万2608人が来場するなど、コロナ禍前の約8割にまで復活。檜(ひのき)風呂のメーカーの檜創建(岐阜県中津川市)や、木工家具メーカーのマルニ木工(広島市)、西陣織を世界のテキスタイルブランドにした細尾(京都市)など多くの日本企業も出展し、かつての勢いが戻ったように感じた。ミラノサローネ同様に、フォーリサローネ(外の見本市)も大いに盛り上がり、日本からも数々の企業が参加。個性的な展示会を開いていた。

サステナビリティーの視点でデザインを見直す

 日経デザインでもミラノサローネやフォーリサローネの動向を誌面で追ったほか、8月には「ミラノサローネ/フォーリサロネ セミナー」を開催し、多くの来場者を集めた。イクシー(東京・港)代表の伊藤里絵子氏やトリニティ(東京・千代田)リサーチャー/デザインプロデューサーの村田まゆみ氏など、専門家がデザインのトレンドを解説。さらにミラノサローネに出展した細尾、フォーリサローネに出展したワークスタジオ(東京・新宿)の経営者も登壇し、デザインをどうビジネスに取り入れているかなどを講演した。ワークスタジオは、衣料廃棄物でつくるリサイクルボード「パネコ」をフォーリサローネで出展し、注目を集めていた企業の1つだ。

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