公益財団法人 日本デザイン振興会(東京・港)は2022年12月3日、「2022年度グッドデザイン・ニューホープ賞」の最終審査を行い、8作品の優秀賞の中から最優秀賞を決定。法政大学デザイン工学部システムデザイン学科の奥村春香氏による、家庭環境に問題がある少年少女などに向けた自立支援サービス「第3の家族」が獲得した。

2022年12月3日に開催された「2022年度グッドデザイン・ニューホープ賞」の最終審査や授賞式の模様。中央が最優秀賞を獲得した、法政大学デザイン工学部システムデザイン学科の奥村春香氏(写真提供/日本デザイン振興会)
2022年12月3日に開催された「2022年度グッドデザイン・ニューホープ賞」の最終審査や授賞式の模様。中央が最優秀賞を獲得した、法政大学デザイン工学部システムデザイン学科の奥村春香氏(写真提供/日本デザイン振興会)

 グッドデザイン・ニューホープ賞は、学生と新卒者を対象とする新しいデザイン賞として今回、初めて設立された。将来のデザイン分野を担う若い世代の活動を支援することが狙い。在学中の学生や卒業直後の新卒者が、在学中に制作した大学などのゼミの課題制作や卒業制作、自主研究などのデザインで応募できることが特徴という。

 応募作品を「物のデザイン」「場のデザイン」「情報のデザイン」「仕組みのデザイン」といったカテゴリーで分類している点も珍しい。デザインが、さまざまな分野に大きく広がっていることを感じられる。審査員も、カテゴリーごとに選んでいる。

 今回の応募総数は414点で、このうち入選83点を含む91点が受賞。各カテゴリーの上位2点、合計8点が優秀賞として最終審査に進んだ。

既存制度に該当しない少年少女を支援

 最優秀賞の「第3の家族」は「情報のデザイン」に分類。既存制度の支援対象に該当しない少年少女に対し、居場所などを提供することが目的だ。少額の寄付を一般から募ることで「心」「将来設計」「社会発信」「経済支援」の4つの支援プログラムを用意。少年少女の自立に向けた「第3の存在」になることを目指している。

この記事は会員限定(無料)です。

1
この記事をいいね!する