台湾で2021年から爆発的に流行しているタピオカ入りのマンゴードリンク「楊枝甘露(以下、ヨンジーガムロ)」が日本に上陸した。22年12月15日、果物輸入・販売のフルッタフルッタがコストコでボトルタイプのヨンジーガムロの販売をスタート。果たして日本でも、台湾のような大ブームを起こせるのか。
先行販売のコストコではすでに欠品店舗も出るほど好調
アサイーなどのアマゾン産フルーツの販売を行うフルッタフルッタは、2022年12月15日から、香港発祥で台湾をはじめ東南アジア各国でブームとなっているマンゴードリンク「ヨンジーガムロ」の販売を開始した。フルッタフルッタ社長の長澤誠氏によると、11月下旬から会員制量販店コストコで先行販売を行っているが、すでに欠品となっている店舗も出ているほどの好調な出足だという。
「これまでアサイーなど他の商品を販売してきた経験からも、今後、大きく売れていく気配をひしひしと感じているところだ」(長澤氏)
現在の販売チャネルは公式オンラインストア、各種EC(電子商取引)サイト(Amazon、Yahoo! ショッピング)、コストコホールセールジャパン各店舗。今後は飲食店などに対し、同商品を使用したアレンジメニュー提案を積極的に行っていくという。
ヨンジーガムロのブームで、香港・台湾のタピオカスイーツ市場が復活!?
「ヨンジーガムロ」とは、新鮮な生のマンゴーの果肉をたっぷり入れ、ポメロというほろ苦いかんきつ系の果物、サゴタピオカ(サゴヤシでんぷんから作られる小粒で弾力のあるタピオカ)を加え、コンデンスミルクやココナツミルクをかけて食べるスイーツ。発祥は香港で、もともとは高級コース料理の最後に出てくるデザートだったが、近年、一般に広まり、大ブームとなっている。
21年にはそのブームが台湾に飛び火。ボトルタイプのヨンジーガムロが発売されて大ヒットしたことがきっかけで、台湾全土に何千店舗もあるドリンクスタンドの定番メニューとなり、多くの食品メーカーがアレンジ商品を発売し始めた。香港や台湾では、ブームの衰退によるタピオカスイーツ市場の縮小が、ヨンジーガムロのブレークでほぼ以前の規模に戻ったといわれるほどだ。
例えばティラミスが典型的な例だが、通常はレストランやカフェから流行が始まり、その流行を受けてリテール(小売り)がティラミスをアレンジした商品を発売する。だがヨンジーガムロの場合は、台湾のリテールが発売したボトル入りドリンクがトレンドのきっかけとなり、ドリンクスタンドなどの飲食店に広がり、多様なフードサービスのメニューに広がるという逆の現象が起こっている。「日本でも同じ現象が起こる可能性は高い」(長澤氏)
だが「フルッタフルッタといえばアサイー」というイメージが強いが、なぜ突然、ヨンジーガムロの日本展開をスタートさせたのか。
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