紙や紙製品の開発・販売を手がけるペーパル(奈良市)は、廃棄するニンジンの皮からつくった紙素材「vegi-kami にんじん」(ベジカミ ニンジン)を開発した。食品のサブスクリプションサービスを提供するオイシックス・ラ・大地は2022年10月に発売した新商品のパッケージなどに採用している。フードロスの削減につながる動きとして話題を集めそうだ。
vegi-kami にんじんは、オイシックス・ラ・大地から回収したニンジンの皮を粉砕してパウダー状にし、パルプと均一に混合。この原料を均一に広げ、シート状にして水分を絞り、乾燥後に表面をなめらかにすると出来上がる。白色ベースの紙素材なので、印刷の発色や加工性も良く、さまざまな用途に使えそうだ。売り上げの1%をフードバンクに寄付することで、フードロス削減の活動も支援している。オイシックス・ラ・大地は、10月に発売した新商品「かけて楽しい りんご皮フレークのクリームタルト」におけるパッケージのスリーブやリーフレットに使用した。
当初はネギでも実験したがにおいが残った
これまでもペーパルは、廃棄米から紙素材「kome-kami(コメカミ)」を開発するなど、さまざまな紙素材の開発を推進してきた。kome-kamiは菓子メーカーのたねや(滋賀県近江八幡市)の期間限定商品のパッケージにも採用されるなど、サステナブル(持続可能)に熱心な企業が注目している。
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