2022年12月1日、小田急SCディベロップメントが運営する、新宿駅東南口の商業施設「Flags(新宿フラッグス)」がリニューアルオープンした。リニューアルは、1998年10月の開業以来初。ユニクロやGU(ジーユー)といった人気店を誘致したのに加えて、新宿フラッグスの名物だったアパレル店「アメリカンラグシー」も復活させて、幅広い層の来館客を獲得しようとしている。
タワレコ縮小、ユニクロ・GU誘致で来館客を呼び込む
新宿駅東南口から徒歩1分足らず。駅を出てすぐ、左手に見えてくるビルが、新宿フラッグスだ。赤字の「F」から始まる、「Flags」の文字に見覚えがある人も多いだろう。1998年10月に開業し、「MUSIC」「FASHION」「SPORTS」をコンセプトに店づくりを行ってきた。
その新宿フラッグスが2022年12月1日、2~5階をリニューアルしてグランドオープンを迎えた。全11フロアある店舗エリアの店内構成を22年前半から順次入れ替えてきた上でのことで、リニューアルは開業以来初となる。「コンセプトを継承しつつ、新たなステージへと発展しようとしている。MD(商品政策)転換によって話題性ある発信をして、客層を拡大し来館客数の増加を目指す」と、小田急SCディベロップメント新宿南口営業室の和地一郎副支配人は狙いを話す。
その例として筆頭に挙げたのが、タワーレコードだ。従来、同店は7~10階の4フロアを占めており、新宿フラッグスが掲げる「MUSIC」のイメージを存分に表現していた。だが、時代が移り変わり、音楽の楽しみ方も多様化。レコードやCDだけでなく、音楽配信のサブスクリプションサービスなどが出てくるにつれて、従来ほどの需要がなくなってきて、タワーレコードとしても、店舗を集約することを視野に入れ始めていたという。同店は9~10階での展開に縮小した。
空いた7~8階に新たに入ってきたのが、GUだ。同店は22年4月22日にオープン。「GUのリーズナブルな価格展開もあり、10~20代の客数が増加していると、出店店舗へのヒアリングから感じている」(和地氏)
GUに続いて、ユニクロも誘致した。同店は22年10月28日、4~5階にオープンした。「ビックロのユニクロ新宿東口店が閉店したこと、何より駅からのアクセスの良さもあり、来店客が多い。新宿フラッグスに来館する客の年齢層も幅広くなってきている印象」と和地氏は語る。
アメリカンラグシーが復活
リニューアルでは、新宿フラッグスになじみのある層にも訴求しようとした。その例として挙げられるのが、アメリカンラグシーだ。同店は、新宿フラッグス開業時から出店しており、「FASHION」のイメージの中核を担ってきた。だが、18年に撤退。現在、アメリカンラグシーの日本での展開は、他には原宿店にとどまる。新宿フラッグスへの出店は4年ぶりとなる。かつて出店していた時と同じく、2階で展開する。
アメリカンラグシー事業部を運営するレオン・インターナショナルの林真吾社長は、「アメリカンラグシーファンにとって、『アメリカンラグシーといえば新宿フラッグス』という印象があるはず。アメリカンラグシーが復活したことを、以前からのファンにアピールしたい」と意気込む。
新宿フラッグスの店舗では、レギュラー商品に加えて、米国本国から買い付けたヴィンテージアイテムも取りそろえる。「アメリカンラグシーを知らない若い世代にも、ユニクロやGU、タワーレコードなど別フロアの店に行ったついでに立ち寄ってもらって、本国のヴィンテージとレギュラー商品とのミックススタイルを楽しんでもらいたい」(林社長)
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