デジタルガレージが主催するグローバルカンファレンス「THE NEW CONTEXT CONFERENCE TOKYO 2022 Fall」が2022年11月4日に開催された。web3(ウェブスリー)という新しいテクノロジーが注目を集める今、今後のムーブメントをつくっていくためには、どのようなアーキテクチャー(設計思想)が必要になるのか。「Designing Our New Digital Architecture」をテーマに掲げ、法律、文化、経済、技術など各分野のキーパーソンが熱い議論を交わした。デジタルガレージ共同創業者・取締役である伊藤穰一氏は、「web3の世界では、我々のセンシビリティ(美学)を変えていかなければならない」と語る。
web3によって社会に大きな変革が起きようとしている。しかし、我々が目指すゴールや目的を変えなければ、どんなにテクノロジーが発達しても、また同じ方向に向かってしまうと伊藤氏は言う。
「環境破壊や貧富の差、コロナも含めて、我々のセンシビリティ(美学)が変わりつつある。今までの資本主義のような、一番多くのモノを持っている人が勝ち、といった美学のままでは、大きな変化は期待できない」
100年前にドイツで起きたバウハウスのムーブメントは、それまでの農業中心の美学から、大量生産とエンジニアリングの美学へと変化をもたらした。そのことにより、建築が変わり、デザインが変わり、人々の意識も変わっていった。
「今こそ新しいアーキテクチャーをつくらなくてはいけない。web3はこれまで反体制的なイメージが強かった。今後はweb3ももっと一般的になっていくだろう。web3の雰囲気を変えていくことも重要だ」
これまで、暗号通貨の交換所や投資家を中心としてきたweb3の流れがあった。web3をもっと一般社会へ浸透させるムーブメントを起こすためには、何が必要なのだろうか。 「一人で一生懸命世の中を変えようと思っても難しい。個人が周りの人とつながってコミュニティーとなり、小さな波ができる。そしてその波(コミュニティー)が別の波と重なって大きなうねりとなり、ムーブメントへとつながる」
デジタルガレージは、そうしたムーブメントを起こすきっかけとなるべく、新たなアーキテクチャーの構築を模索する研究組織「Digital Architecture Lab」を立ち上げた。web3テクノロジーによる次世代の社会構造の設計、実装を目指すという。
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