1985年から隔年で開催されてきた「日本パッケージデザイン大賞」。主催する日本パッケージデザイン協会の新理事長に、プラグ(東京・千代田)の社長、小川亮氏が就任したのが2022年5月。パッケージデザイナーではない理事長の選出は、1960年の協会発足以来、初となる。そんな新理事長の小川氏が掲げた新方針とは。

小川亮氏
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小川 亮 氏
プラグ 社長 経営管理博士
慶応義塾大学環境情報学部卒業後、キッコーマンを経て、慶応ビジネススクールでMBA(経営学修士)を取得。プラグにてパッケージデザイン制作・デザインリサーチ、デザイン思考による開発コンサルテーションを手掛ける

――新理事長の方針を教えてください。

小川亮氏(以下、小川) 日本パッケージデザイン協会の新たな方針は、「ひろげる」です。「活動のテーマをひろげる」「新しい仲間をひろげる」「会員同士の出会いをひろげる」という3つの切り口で取り組んでいきます。「活動のテーマをひろげる」というテーマは、ここ数年、デザインが社会的な視点からも注目されていることから考えました。2018年に経済産業省・特許庁が「『デザイン経営』宣言」を発表し、23年には34年ぶりに東京で「世界デザイン会議」が開催されることも決まりました。そうした状況の中、パッケージデザインへの期待も高まっており、その波に乗らない手はありません。

――パッケージデザインに期待されていることとは、具体的に何でしょうか。

小川 大きく5つあると考えています。それが「生活を豊かにする」「地域経済の活性化」「環境問題の解決」「ブランドの創造」「イノベーションの実現」です。その中でも特に注目されているのが社会課題でもある「環境問題の解決」でしょう。例えば、家庭ごみの6割は、包装資材であるといわれています。一方、素材メーカーからは、環境に配慮した新しい素材が次々と生まれています。そんな社会課題と新たな素材を掛け合わせることで、日本パッケージデザイン協会らしい解決策や、未来のパッケージの在り方を提示していきたいと思っています。

 「ブランドの創造」も、ビジネスに欠かせないものとなっています。ブランドは、お客様の頭の中に蓄積されたイメージや記憶の集合体です。ロゴマークやパッケージデザインは、ブランドの資産であり、その活用方法を考えるのもデザイナーに求められています。ブランディングの一環としてパッケージデザインを考えることは、競合との差異化を図るうえでも必要なことだと思います。

 23年は、日本パッケージデザイン協会が主体となって、パッケージデザインの学校を開校します。その学校のテーマは、パッケージデザインとブランド。さまざまなテーマを盛り込みながら、社会のニーズに応えていけるパッケージデザインについて学べる場を目指しています。